クロスを選ぶコツ




クロスを選ぶコツ

リフォームにおいてクロスを選ぶのが一番時間を要します。
それは内部仕上げの面積が一番多いのと、施主にとっても楽しい時間になるからです。
今回はクロス選びのコツや注意点を多くの施工実績に基づきお伝えします。

「こんなクロス選んだっけ!」って思わないための知識

クロスを選ぶ場合よくあるのは、厚いサンプル帳を渡され「この中から選んで下さい」と言われます。
多くのサンプル帳には数センチ角のサンプルが沢山貼られていて、防カビ抗菌消臭などの機能や品番などが書かれています。

通常は打合せをして決めた品番などの内容を打合せ記録として担当者から受け取りますが、この記録を引渡しまでは保管しておく必要があります。
打合せから施工までの業者間やり取りを、近年はFAXやメールなどで行なうことで間違いも少なくなりましたが、メーカー名と品番だけで発注されるのでどこかでミスが発生するとまったく違うクロスが貼られることになります。

錯覚による誤算

サンプルとまったく同じクロスでも、小さなサンプルで見るのと広い面積に貼られたクロスを見るのとでは色の濃さがかなり違って見えます。数センチ角のサンプルで選んで貼った後見ると、「あれ!こんなに薄い色選んだ?」って思うことがよくあります。

また、明るいところで選んで夜見るとか、電球色の照明で見るなどの違いもあります。
クロスの色で選ぶ場合は明るいところや昼光色の明るい照明の下で、自分の思いより少し濃い目の物を選ぶのがコツです。
大きな柄物のクロスを選ぶ場合もサンプルが小さいために貼ってみたら「こんな柄だったかな?」って思う場合も出てきます。

視覚効果を生かす

ストライプ柄のクロスを選ぶ場合、横ストライプは広がりを持たせ、縦ストライプは高さを強調する効果をもたらします。最近増えてきましたが、部屋の一面だけに違う色柄のクロスを貼ったりします。
例えば廊下など細長い部屋の場合、奥の面に濃い色のクロスを貼ると奥行きを強調させる効果が生まれます。
寝室の天井に濃いグレー系のクロスを貼ると圧迫感はあるもののベッドに横たわった時、なぜか心を落ち着かせる効果があります。
狭い廊下にあえて濃い色のクロスを使い、天井には更に濃いクロスを貼れば明るい部屋に入った時、急に視界が開けたように感じ、メリハリを付けることができます。
狭い入り口から入る茶室効果をクロスで再現する感じです。
最近、住宅の床はバリアフリー化が進み変化がなくなっているので、クロスでコントラストを持たせるのはいかがでしょう。

洋服の柄を選ぶ時と同じですね。

よくブルー系の色は冷たく感じ、オレンジ系は温かみがあると言われるので、北にある部屋などはオレンジ系がお勧めです。
また年齢が高いほど落ち着いた部屋を好まれることから、部分的に濃い色のクロスを貼ったりします。

柱と梁は木目のクロスを貼っています。

リフォームの場合は既存の柱や梁を見せることもよくありますが、塗装できれいにすることが困難な場合はクロスを貼ります。
最近木目柄のクロスも多くの種類が出ていますので、柱や梁に濃い目の物を選べば落ち着いた部屋になります。

クロスによってかなりイメージが変わるので、ライフ用途などで変化を持たせ、場所によっては思い切った選択をしてみることもお勧めします。