お客様を選ぶ時代(業者向け)




リクシルショールーム

リフォームに於いてお客様は業者を選びますが、業者側もお客様を選ぶ時代になったと言えます。
特にリフォーム業はクレーム産業と言われるほど難しい仕事だからです。
受注金額の大小に関わらず100件の内、1件以上の未入金がある会社は特に注意が必要です。
この数字は与信管理の概念からも外れている可能性が高いと言えます。
何故ならお客様(取引先)の信用とか支払い能力だけが原因ではなく、受注者側に問題がある可能性を示しているからです。
社内にトラブルの原因がある場合は、其れを取り除かない限り未入金のリスクからは逃れることができません。
最も分かりにくい原因の1つに、無理な営業があります。
特にリフォーム専任の営業マンはノルマをこなすために少しばかり無理をしても受注しようとします。
そのような場合は契約時に勝手な解釈や説明、約束などでお客様との間に矛盾が生じたり、難しいと分かっているお客様からでも安易に受注してしまうのです。
新築と比べてもリフォームには契約内容にグレーな部分が多く、信頼関係が少しでも失われると契約履行といった当たり前の事にも障害が生まれます。
こういった事からも分かるように未入金のリスクを避けるためには、難しいと最初から分かっているお客様からは遠ざかることも必要なのです。

敢えて言えば、ほんの些細なことからでもクレーマーに変貌するようなお客様です。
もしお客様と何かのトラブルで100万円の未入金が発生したとすれば、それは営業利益が10%の工事だとしても1,000万円の工事が飛んでしまったことになります。
営業利益が8%の工事なら1,250万円の工事が飛んだことになります。

このような未入金が継続してデータ化されれば、年間予算にリスク予算として組み入れなければならなくなり、その結果として粗利目標を上げたり工事原価を無理に下げたりすることになります。
そうなってしまえば、顧客満足追求型から利益追求型の会社になり、口コミ評価も悪くなり悪循環の経営になってしまいます。
最初から難しいお客様や赤字のリスクがある工事を受注しないことをお勧めします。

リフォーム業のリスク回避順位で考えると一番に「クレーム予防」で二番目に「お客様選び」と言ってもいいくらいです。
お客様選びの一回の失敗が、小さな会社ほど経営の安定に揺さぶりを与えます。
大きなストレスとリスク回避のためにも、金額だけに執着されたり、安さだけを求めるお客様は避ける方が賢明だと思われます。