ニッチの提案




ニッチで生活を楽しむ工夫

ニッチとはくぼみや隙間を意味する言葉ですが、近年の家作りによく見かけるようになりました。

よく見かけるのは壁厚を利用して部分的に壁を凹ませたものですが、どこの壁でもニッチを作れる訳ではありません。
壁厚を利用したニッチが作れるのは主に間仕切壁と言われる内部壁です。
外壁に面した壁には基本的に断熱材などを入れなければならないためニッチを作ることは出来ません。
ニッチの目的は飾り棚と見える収納ですが、あまり多く作ってしまうとホコリ溜めになってしまったり、唯の物置になってしまって当初の目的からはかけ離れてしまったりします。

見せる収納ではなく敢えて見える収納と書いたのは本来は収納としてニッチを作ってほしくないと思うからです。
このような収納としては、玄関近くに車などの鍵類を掛けておきたいだとか、トイレにペーパーの予備を置く棚として使いたいと言った理由でニッチの要望があります。
しかしニッチにしてしまうとどうしてもホコリが溜まり、掃除がしにくいのでこのような場合は扉付きの埋め込み収納にするべきだと思うのです。

あくまでニッチは小さい飾り棚として掃除が行き届く範囲で作るのがお勧めです。
ニッチを作るのに考えられる場所としては、玄関や廊下、階段、リビングなどですが、ここで一つ注意をしなければならないことがあります。

それは地震対策です。
間仕切り壁ならニッチを作ることができると書きましたが、体力壁と言われる筋交いなどを削ってまでニッチを優先させることは出来ません。
もう一つの地震対策は特に廊下、玄関、階段などにニッチを作ってもガラス製の一輪挿しなど落ちて壊れる物は置かないほうがいいと言うことです。
地震で落ちて壊れれば避難の障害になり得るからです。

ニッチを作る上で一番考えておくべきなのはやはり掃除なのではないでしょうか。
そう考えるとあまり高い所や、低い位置では掃除が大変なので、腰から目線程度の高さの範囲で考えるのがベストと言えます。

玄関にこじんまりしたニッチを作ればちょっとおしゃれな演出をすることもできます。
ニッチの奥まった壁だけに少し濃い目のイエロー系のクロスを貼れば風水的にも運気も上がります。

廊下に提案したいニッチは屋内常夜灯も兼ねた照明付きのニッチです。
照明器具がLEDになって省電力小型化されたのでニッチの上部に埋め込み、夜は常時点灯させておけば防犯も兼ねた常夜灯として使えます。

ニッチを作ったから何かを飾らなくてはいけないと言ったものではありません。
例えばニッチの奥まった壁にデザインタイルを貼るだけでもおしゃれになったり、たびたび自分で色紙や英字新聞などを貼りかえるのもちょっとした模様替えになって生活を楽しめます。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加