まるごとリフォームの相場について考えてみた!




新築より高いまるごとリフォーム?

今回は全面リフォームの相場について考えてみました。
リフォームと言っても築年数によってその内容も大きく変わってくると思いますが、40年以上過ぎた家のリフォームで新築のようにするとなれば、ほぼスケルトン状態(基礎や骨格だけを残した状態)にしたリフォームになることがあります。

このようなリフォームの場合は新築と同程度、またはそれ以上の予算が掛かる場合があると理解しておきましょう。
新築の場合は坪単価で相場基準を表現できますが、家一軒全面リフォームの場合も同じような考え方ができます。
新築との違いは基礎や柱などの躯体が有るか無いかだけとも言えます。

坪単価の考え方
坪単価とは家の本体価格を延床面積で割った金額のことですが、この方法も決まったルールがないため、ハウスメーカーなどによっても数字に誤差があります。
例えば坪数を床面積ではなく、階段などの吹き抜けや玄関ポーチなども含めた施工面積にしていたり、家の本体価格にエアコンや照明などの機器類を抜いて計算している会社もあります。
これには少しでも家本体価格を小さくして坪数を大きくすることにより、坪単価が小さくなり安いと見せかけるためです。

・2500万(家本体価格)÷40坪(延べ床面積)=62万5千円
・2300万(照明など機器類別家本体価格)÷44坪(ロフトやポーチなども含めた施工面積)=52万2千円(坪単価として表現)
この二つの例がまったく同じ条件の家だとしたらどうでしょう。
坪単価だけで比較すると同じ条件にも関わらず10万円近く差があることになります。

リフォームの場合は見積総金額を延床面積で割ってしまうと坪単価がかなり高額になってしまいます。
見積金額の中には解体工事など新築には存在しない(または別工事)が含まれているからです。
そのような解体工事を含めなくても新築ほどの予算が掛かる場合もあります。
古い基礎や古い躯体を残すので、現在の新築のような家にしようと思うとかえって手間が多く掛かるのが原因です。

それでもリフォームをするメリットで大きいのは固定資産税です。
固定資産税は地方税なので地域によって多少考え方に違いにあるようですが、基本的には躯体を残したリフォームで固定資産税を見直されることはありません。

この時、気を付けなければならないのが増築を伴ったリフォームです。
増築部分が10平方メートル以内であれば建築確認申請は不要ですが、それ以上の増築をする場合は建築確認申請を出さなければなりません。
この建築確認申請を出したのがきっかけで、家全体の資産価値を見直される可能性が高まるとも言われています。

そもそも固定資産税の評価額は家屋の時価を表したものとされているので、3年に一度の見直しで下がって来た評価がリフォームによって価値が上がったと見なされる要因になることも考えられます。
建築確認申請や工事届けを出さなければ、「役所に情報が行かないから大丈夫」と言ったような何か安易な矛盾も感じますが、現在の法律のグレーな部分であることは否定できません。

新築に比べリフォームが高くなるのは、新築では使えてもリフォームで使えないコスパに優れた商品があるのも要因と言えます。
全国展開をするハウスメーカーは大量仕入れするが故の価格メリット商品を持っています。
例えばユニットバスなどの水回り商品や外壁タイルなどです。
中には瓦や塗料まで持っているハウスメーカーもあるくらいです。
しかしそんなコスパに優れた商品も、同じ系列リフォーム会社であっても規格や施工の違いによって使えない物が多く、新築と同じだけの利益を確保することができないのです。
そのためどうしても新築と同じような仕上げを要望すると、リフォーム工事が割高になってしまうのです。

まとめ
・全面改修のリフォーム相場は、新築より高額になることも多い。
・リフォームの見積を坪単価で見る時は、解体工事や外構工事などは省き、ベランダやロフト、インナーガレージや階段吹き抜け、玄関ポーチなども考慮しましょう。
・特に外壁や屋根などのハウスメーカー系優良コスパ商品は、使えたとしてもかなり高額になります。
・新築にするかリフォームにするか悩んだ場合は、新築するほどお金を掛けるだけの価値がその家にあるか判断します。
・特に増築を含めたリフォームをする場合は、建築確認申請に絡む固定資産税の見直しに注意しましょう。(増築以外の見直しがされる可能性について市町村の税務課に直接相談しておくことをお勧めします。藪蛇の可能性もありますが、市町村で考え方が異なるようです。)
・二社以上から見積請求して金額比較をする場合は、工事内容の違いに目を向けましょう。
・会社比較をする場合は金額より担当者の人間性や提案力、会社の姿勢(利益重視より顧客満足重視)を優先しましょう。