キッチンメーカーの特徴




キッチンメーカーの特徴

水廻り商品で一番こだわって選ぶ人が多いのはキッチンです。
I型キッチンやL型キッチン、壁付けに対面などタイプ別にも拘りたいのですが、メーカーにもこだわって自分に合ったキッチンを選びたいものです。
今回はキッチンメーカーの特徴やコスパに優れた商品などを本音で探ってみます。


1. タカラスタンダードの特徴

2. クリナップキッチンの特徴

3. LIXILキッチンの特徴

4. TOTOキッチンの特徴

5. まとめ

1. タカラスタンダードの特徴

タカラスタンダードはある時期、売り上げ台数で日本のキッチンシェアのトップを走っていました。
何が強かったのか分析すると地方に強いことや大工さんにも強く、団地にも強い時代が長く続いたと思われます。
製品の特長は「タカラと言えばホーロー、ホーローと言えばタカラ」と言うくらいホーローにこだわり続けるメーカーとして有名です。
ホーローとは主に鉄などの金属素材に高温でガラス質の釉薬を焼き付けたもので、強度と光沢の美しさが特徴とされています。
タカラスタンダードはこのホーローで作った商品をキズにも強く磁石も利用できる事を前面にアピールして販売しています。
ほんの数年前までタカラスタンダードのキッチンデザインは昭和を強く印象付けるほど古臭く、近年のお洒落なインテリアデザインとは遠く離れたものでした。
花柄をあしらったような少し古臭い、そんなデザインのキッチンでも、地方の高年齢層には可愛がられたものでした。
しかし数年前そんな古臭いデザインから心機一転シンプルで美しいデザインへと変わってきました。

タカラスタンダードのもう一つの大きな特徴は、どのメーカーより値引きが少ないと言うことです。
元々メーカー希望小売価格(参考価格)が安く設定されているので品質なども含めたトータルイメージは悪くないのですが、一度他メーカーの値引きされたイメージを持ってしまうと割安感は無くなります。
そのかわりどこで買ってもさほど差がない金額には安心できる部分も捨て切れません。

キッチンパネルなどの付帯部材もホーローになり、磁石を利用できる点は素晴らしいと思いますが、ホーローであるが故に重く加工が難しく施工性が悪く施工費が高いのもデメリットと言えます。

Takara standard
キッチンHP  http://www.takara-standard.co.jp/product/system_kitchen/

2. クリナップキッチンの特徴

クリナップもタカラスタンダードと並び日本のキッチンメーカーを代表するシェアを持っていました。
クリナップは特に一般家庭のキッチンで高いシェアを維持していました。
クリナップキッチンの最大の特徴はステンレスにこだわっているところです。
キャビネットにもステンレスを使ったり、シンクと天板を継ぎ目なく一体にしたステンレス加工の技術などは特に優れています。
元々ガス代やシンクに分かれていた商品を、システム化して売り出したのもクリナップが最初だったように思います。
積極的に主婦の意見を取り入れるなどして作られているキッチンキャビネットは、収納力も業界トップクラスです。
敢えてデメリットを言うとせっかくのステンレス技術を使ったキッチンなのに、安価な商品と高額な商品にそのステンレス技術の差が大きいと言うことです。
良くも悪くも高価な商品を多く売って、ステータスを上げたいと言ったようなメーカーの欲が伺えます。

その割に売り上げ台数もトップを狙いたいのか、色んな方面にビルダー商品をたくさん卸しています。
そんなビルダー商品の中にはクリナップステンレスの技術をオプションで加えることができるものもあるので、上手に選べばコストパフォーマンスに優れたクリナップ商品を手に入れることも可能です。
例えばシンクや天板の傷が目立ちにくいエンボス加工の商品などです。
エンボス加工とは、ブツブツに加工してあるだけなので擦り傷などが目立たないだけなのですが、その寿命はまだ何とも言えません。
キャビネット内にステンレスを使用したような商品もオプションで選ぶ事が出来るでしょうが、それだけで結構高額になったりするので、コスパ優先で選ぶビルダー商品の意味が薄れてきます。

クリナップキッチンHP https://cleanup.jp/kitchen/

3. LIXILキッチンの特徴

2011年にトステムを中心としてINAX、新日軽、東洋エクステリア、初代LIXILなどが吸収合併し、更にはサンウェーブまで巻き込んで一つになった売上高1兆円を超す社員6万人の業界最大手の企業です。
今ではキッチンのシェアも30%を超しトップに立っていると思われますが、企業自体は大きい物のタカラスタンダードやクリナップ程の大きな特徴は薄いと言う他ないのが現状です。
多くのメーカーの集合体ですが、その意味で言うとキッチンに関してはサンウェーブの技術を継承しているくらいだろうと思われます。
サンウェーブと言えば技術開発部門は優秀だったのですが、営業戦略が弱く最終的に(㈱)LIXILに吸収合併されています。
例えばシンク上で手を感知するハンズフリー水栓や、熱や傷に強いセラミックトップの天板、ソフトスクラッチと言われる柔らかい光沢のキッチントップは全てサンウェーブから継承された技術でしょう。
LIXILキッチンにもエンボス加工の商品があったり、水切りなどの使い勝手や最新のデザインも取り入れられた製品が発売されています。

私が思うLIXIL最大の特徴は、LIXILのショールームに行けばキッチンやユニットバス、トイレなどの水廻り商品から、サッシやフローリング、木製建具からデザインタイルのような建材までトータルで見る事が出来るところです。
キッチンの扉色なども床と合わせながら選べるので、気の利いた選択ができるのが嬉しいところです。

LIXILキッチンHP https://www.lixil.co.jp/lineup/kitchen/

4. TOTOキッチンの特徴

TOTOと言えば何といってもトイレです。
世界一誤差の少ない陶器製造技術で作られた便器などは素晴らしい商品です。
勿論TOTOキッチンも他メーカーと同じような商品は出しているものの、これと言った存在感のある特徴は薄く感じられます。
昔からTOTOと言うメーカーイメージが強く、TOTOファンによって支えられているようにも感じます。
私も昔はTOTOファンで、自宅の全ての水廻り商品はTOTO製品でした。
強いてTOTOキッチンのアピールをするとすれば、水栓金具は当然定評のあるTOTO製が使ってあるところです。
TOTOの水栓金具は壊れにくく、故障したとしても結構部品調達がしやすいのです。
私も19年前の排水金具を最近TOTOから取り寄せ修理しました。

しかしTOTOはメーカープライドが高いのか、商品の値段が高いイメージが強いのと、値引き率も決して良くはありません。
他社キッチンメーカーがTOTO製の水栓金具を使わない理由もそこにあるのでしょう。

TOTOキッチンHP https://jp.toto.com/products/kitchen/

5. まとめ

タカラスタンダードキッチン
強み:キズに強いホーロー製で磁石が使える。
弱み:重く施工性が悪いので高額なメーカー施工が基本。
クリナップキッチン
強み:ステンレス技術が優れていてコスパがいい。
弱み:ステンレスで選ぶとコスパが悪くなり、コスパでビルダー商品を選ぶと収納力が落ちる。
LIXILキッチン
強み:床など他の建材とのトータルデザインで選ぶ事が可能でコスパも悪くない。
弱み:これと言った特徴が少ない。
TOTOキッチン
強み:TOTO製の水栓金具が使ってあるから信頼性が強い。
弱み:一般的に値引き率も悪くコスパが悪い。

他にも多くのキッチンメーカーがありますが、キッチンシェアの高い4社を取り上げてみました。

パナソニックキッチンもシェアは高い方ですが、おそらく自社生産ではないと思われるので省きました。
その他にもトクラス(ヤマハ)やノーリツ、トーヨーキッチンなどがあります。

今回取り上げたシェアの高いシステムキッチンメーカーも、換気フードやIHクッキングヒーター、食器洗浄機などのは、パナソニックや日立、三菱電機などの家電メーカーから選ぶ事になります。
キッチンメーカーはこれらの家電製品を自社が作った箱に納めて販売しているとも言えます。
そう考えると「その箱(キャビネット)、高過ぎないですか」と言いたくなってしまいます。
そんな風に思われる人は厚みのある自然木を切り抜いてシンクを付け、自作してみてもいいかも知れません。