メンテナンスリフォーム




点検、保守、維持などのリフォーム

メンテナンスとは点検、保守、維持などのことです。
家は年数と共に老朽化していくのでメンテナンスは欠かせません。
ハウスメーカーなどで新築するとほとんどの場合、5年メンテ、10年メンテと定期的に案内が来ます。
内容は先ず点検をして補償内であるものは無償で、それ以外は有償の見積もりをする事になります。
リフォームの場合も同じでメンテナンスは必要になりますが、リフォームの工事種別や金額にも差が大きいため新築のようにシステム化された点検をしない場合がほとんどです。

新築でもリフォームでも計画当初からこのメンテナンスを意識しておくことが必要です。
10年から15年で塗装が必要になる外壁材や屋根材、ベランダ防水の寿命などの確認は最初からしておかないと予想外の出費になったりします。

特に遠くの業者や訪販は「やりぼかし」になりやすく注意が必要です。
「やりぼかし」とはその工事が終われば後は知らないと言った業者で、引き渡し後のトラブルに対応してもらえないことです。
よくあるのが凍結や強風など気象条件での急なトラブルで、連絡しても直ぐには来てもらえないなどの事例が多くあります。
メンテナンスリスクの多いリフォームはやはり地域密着型の会社が安心できると考えます。

建築会社はメンテナンスが苦手

基本的に建築会社はメンテナンスが苦手と思われます。
新築やある程度の規模のリフォームは達成感もあり、お客様にも喜んで頂けるので遣り甲斐も感じ利益も見込めるのですが、その後のメンテナンスとなると尻込みをする会社が多く見受けられます。

それは利益が見込めない、急を要すことが多い、原因究明など仕事が難しいといった理由があるからです。
メンテナンス専門の会社は当然のように利益を見込んだ請求をしますが、建築会社の誰もがその金額が高いと思っています。
機器類メーカーの依頼を受けているサービス会社の請求を見れば分かりますが、部品代数百円でも出張料と施工費で直ぐに数万円の請求を受けることになります。
メンテナンスを専門としている会社は技術を売っているので、粗利が限りなく100%に近いのですが、建築会社にはその概念がないのです。
特にリフォームの場合には、トラブルの原因がそのリフォーム工事に影響を受けたものなのか判断が微妙なものは請求もしずらくなるからです。

点検保守メンテナンス

ハウスメーカーの定期点検は、ある意味無償になりやすいメンテナンスを有償にするための正当性を上げたシステムだと言えます。
このシステムも新築契約当初の説明不足により誤解を生じ、トラブルの原因になっている事例も増えています。
新築でも経年劣化による無償保証と有償になる境界線が不透明な場合が出てきますが、リフォームなら当然そのリスクは何倍にもなります。
なぜなら古いものと新しいものが混在しているのがリフォームだからです。
新築なら全てが同じ年数で経過し劣化していきますが、リフォームは経過年月に大きな違いが生じます。
そのような理由からリフォームの保守点検は難しいと言えます。

設備機器管理の注意点

但し、設備機器類は品番や製造番号で管理も容易で保証期間もハッキリしています。
中には国が定めた長期使用製品安全表示制度の対象商品もあり、経年劣化によって火災や死亡事故などの重大事故を起こすおそれがある製品(特定保守製品)として10年を目途にメーカーなどから点検時期をお知らせする商品もあります。
石油の風呂釜や給湯器、FF式石油温風暖房機、ガス瞬間湯沸器、さらにはユニットバスの天井に設置する電気乾燥機やキッチンの食器洗浄機もそれに当たります。
これらの機器を含め新しく設置した機器に関しては忘れずにハガキなどでメーカーに顧客登録をしておきましょう。
中には顧客登録をするだけで1年保証が2年保証に無料延長される商品もあります。
もう一つお勧めしているのが、有料長期保証です。
全ての商品ではありませんが、特にはエコキュートなどで、どのメーカーの商品であっても毎日使うので故障率も高く、修理費も高額だからです。
有料ですが10年の保証を受ける事ができる会社も多くあります。

維持管理の注意点

家を持てば固定資産税や火災保険なども含め維持費が発生します。
この他に大きな費用が発生するのが維持のための修繕費です。
リフォームでも新築でも返済能力限界に近いローン計画を立ててしまうと維持修繕費で苦しむことになりかねません。
最初に書いた外壁や屋根塗装、ベランダ防水なども維持修繕です。
少し高くても耐久性の高い商品を選んでおく方が賢明な場合もあります。
例えば安価で防火性や施工性に優れ建築会社にも人気が高い窯業系サイディングは、場合によって10年から15年程度で塗装しなければいけないくらい経年劣化します。
しかも直接強い日差しを受ける南西に面した壁は北東に比べかなり早く劣化します。
人差し指で外壁を撫でて、白い粉が指に付着すればチョーキングと言って塗装メンテ時期の現れです。
もしその時屋根は塗装時期が来ていなくても、外壁塗装のために高価な足場を設置するなら同時に屋根メンテも終わらせることになります。
私が屋根材の相談を受けた時、耐久性で選ぶなら瓦をお勧めしているのは、メンテナンスフリーに最も近いからです。
特に屋根は厳しい自然環境に直接さらされるので、経年劣化の進行が最も早いところです。
セメント系屋根材で塗装メンテを必要とする建材をお勧めできないのは、その時安くても近年悪化している酸性雨など自然環境の影響でそれ以上の出費が目に見えているからです。

その他

勿論内装や建具類も使用頻度によって経年劣化していきますが、劣化が直接家自体に被害を及ぼす物として配管や配線があります。
この20年から30年で使う電力も何倍にもなりインターホンやリモコン配線、ランケーブルのような通信線を含めるとトラブルリスクも何倍にも増えています。
それに給水や給湯、ガスのような圧力配管から、排水や雨水などの配管を含めるとメンテ項目も多く複雑化してきています。
リフォームメンテナンスはリフォームの決断と同時に考えておくことが重要です。