リフォーム着工に適した季節




大型リフォームの着工時期

リフォームをしようと思い立ったが季節はいつがいいのでしょか。
気候だけを考えるなら春がいいと誰もが考えていますが、いろんな条件を考慮すると答えは変わってきます。

春(4月~6月)

春は気候も良くなり暖かくなっていく季節なので、リフォームをするにはもってこいの季節です。
しかしそれ故にデメリットもあります。
現在は大工さんなどの技術者は高齢化と共に若い優秀な職人が少なくなっています。
しかも春はリフォームを含む建築工事が最も多い季節なので、優秀な職人が不足します。
急にリフォームをお願いしても、「職人がいないので出来ない」と言われることも珍しくはありません。
職人は人気商売なので、最も優秀な人材から仕事の依頼が詰まっていきます。
春は忙しいので、評判があまり良くない職人が回される可能性が高いとも言えます。

5月にはゴールデンウィークがあるので、工期が伸びる可能性が高くなります。
忙しい時期なので職人は休日返上で働く場合もありますが、メーカー各社は10日近くも休みになるため材料の確保が難しくなります。

住みながら行うリフォームの場合、春は花粉症のリスクが高い季節でもあるので、解体などのホコリで悪化する恐れがあります。
それにこの季節は梅雨を伴うので雨で材料を濡らしたり、結露で室内が湿気るといったトラブルも増えます。

敢えてもう一つ春ならではの注意点を挙げるとすれば、キッチンやユニットバス、トイレやエアコンなどの機器類関連で新製品が発売されることが多いのが4月です。
4月までに発注した場合、旧製品でリフォームすることになりますが、金額が変わらずに掃除がしやすくなったと言うような新製品が発売になっているのに使えないこともあります。
少しでも新しい商品にこだわりたい方は、新製品情報に注意が必要です。

夏(7月~9月)

壁土を付けるような施工が伴う場合は春から夏の暖かい時期が最も好ましいと言えます。
外部コンクリート土間工事などは、昨今の35度以上にもなるような温度では早く乾きすぎるので施工も難しくなります。

夏も盆休みを挟めば工期が長くなるので、住みながらのリフォームにとっては不便を強いられる時間が長くなります。
尚、盆月の着工を控えると言った慣わしにも起因している事として、7月以降は台風シーズンに入るので工事中の思わぬ災害も予測しておく必要があります。

しかし寒い時期に比べれば、仮設で浴室やシャワーを使用することは楽になるでしょう。
リフォームなどの建築工事は現場仕事なので、そこで働く職人さんにとっては夏が一番辛い環境になり、事故が多いのもこの季節です。

秋(10月~12月)

この時期のリフォーム工事に最も多いのが年内に完成してほしいという要望です。
年内に引き渡しを済ませ引っ越しも終えて、正月は綺麗になった家でゆっくりしたいと考えるのが普通です。
そのためには余裕を持った工程が必要になるので早めに着工できるようにしておきたいものです。

この季節は12月の冬至に向かって急に日没が早くなってきます。
明るい昼時間も夏至に比べれば5時間近く短くなってくることから、屋内の仕上げ工事などは照明に頼ることも多くなります。
そのような理由でクロス仕上げ工事や塗装仕上げ工事のクオリティーが下がるリスクが高まります。

また、春先と同じく秋口といった季節の変わり目にはクレームが増えると言われています。
特に秋は情緒をコントロールするのが難しい季節と言われているので、些細なことから近隣とのトラブルを招く事があるので注意が必要です。

12月に入ると小売業は年末商戦に伴うキャンペーンが多くなり、エアコンなどが1年の内で最も安く買えるチャンスです。
リフォーム予算を少しでも安くしたいなら、これらの家電商品の発注は慌てずに様子を見ることをお勧めします。

冬(1月~3月)

この季節はやはり寒いので住みながらのリフォームには適していません。
特に積雪を伴う地域は天気も悪い日が多く、キッチンや浴室も仮設になると厳しいと思われるからです。

しかしその反面、積雪のない日本列島の南側は気候も良く、真夏のように暑さのせいで職人のモチベーションが下がるといったこともありません。
年初めは特に工事着工が少ないので、春のように職人不足の心配もありません。
リフォームを中心とする建築会社は一年を通して冬が最も仕事が少なくなるので、予算的にも無理をきいてもらいやすくなります。
条件にもよりますが、リフォーム工事にとって冬は絶好の着工時期とも言えます。

着工時期デメリットのまとめ

春(4月~6月)着工のデメリット
・職人不足によるリスクが大きい
・工期が長くなる(ゴールデンウィークが絡まる場合)
・花粉症悪化のリスクが高まる
・高機能になった新製品が使ってもらえない可能性がある。

夏(7月~9月)着工のデメリット
・乾燥を伴う工事のクオリティー低下リスク
・工期が長くなる(8月夏休みが絡む場合)
・職人のモチベーション低下リスク
・台風など工事中災害に遭うリスクがある。
・現場事故が多い

秋(10月~12月)着工のデメリット
・仕上げ工事のクオリティー低下リスク
・近隣クレームなどのリスクが高まる

冬(1月~3月)着工のデメリット
・仮設生活のリスクが高まる
・仕上げ工事のクオリティー低下リスク