自分で行う浴室リフォームマニュアルその2




浴室リフォームマニュアル

自分で行う浴室リフォームの概略は前の記事でご紹介しましたが、今回は業種別の詳細を説明します。

必要業種と内容

電気設備業者:現状接続さえている照明や換気扇の電気を解体前に切り離し、新しいユニットバス組み立て後は接続工事が必要です。
浴室暖房機が付いたユニットバスの場合や脱衣室に暖房機を設置する場合は、新しい回路を増設する必要があり、分電盤から配線を新設することもよくあります。
そのため分電盤からの距離や条件によって工事時間と予算が変わってきます。
時には家に引き込まれている電気の線も太いものに交換して使える電気の容量を増やす工事が必要な場合もあります。
それらの状況を判断するのは資格を持ったプロになるので、計画段階で一度現場を見て頂き、判断して頂きます。
その時点ではユニットバスの内容が決まっていなければなりません。
特に浴室暖房や脱衣室暖房は200Vの物などもあり、一度見て打ち合わせをしないと見積書も頂けないので予算を出すことも出来ません。

給排水設備業者

解体前に浴室の水道だけを切り離す必要があります。
浴室だけの工事の場合は住みながら行う場合がほとんどで、トイレや台所などは水道が使える状態で工事を進めます。
解体後、ユニットバスのメーカーや商品によって異なる水道管と給湯管、排水管の立ち上げ位置(図面指示によって)に仕込み施工します。
給湯器によっては追い炊きや自動給水の管も準備する必要があります。
これらの作業も電気と同じく前もって事前調査して頂き、打ち合わせをして見積書を頂いておきます。
給排水工事では出来る限り古くなった配管を取り替えることで、工事後の漏水リスクなどを下げることができるので、多少予算が高くなってもお勧めです。
メーカーやその組立業者がユニットバスと接続する事もありますが、責任上組立時に給排水設備業者によって接続指示が出されることもあるので、メーカー施工の打ち合わせ時に確認を取ります。

解体業者

解体専門業者でなくてはならない事はありません。
例えば大工さんや、時にはシルバー人材センターへ相談しても予算的には安くなる可能性は高いと思いますが、解体した産業廃棄物の処分もして頂ける業者が適切です。
解体作業と解体物の処分を分けると結果的に予算が増えることになるからです。
現状がユニットバスの場合の解体は手間も多く掛かりませんが、既存の浴室がタイルなどの場合は時間も掛かり、解体業者への指示も少し厄介になります。
壁がタイルやモルタルの場合はその下地によって解体難度が変わってきます。
コンクリート系(コンクリートブロック含む)の下地の場合は、ユニットバスが入る寸法が確保できるのであれば無理をしてタイル撤去の指示は出さないことにします。
タイルを綺麗に取るには時間と予算が掛かるからです。
在来タイル工法の浴室
    


しかし土台(高基礎など)や柱などの木部下地の部分はタイルなどを全て取り除き、腐食度合いを確認してください。

浴室の場合は水が内部の木部まで侵入して腐食させている事例は珍しくありません。
浴槽や洗い場土間も取り除き、新しく設置するユニットバスの基礎コンクリートを打設する事を計算して堀進まなければなりません。
この場合は浴室架台も高さの低い商品を選んでおけば解体処分共少なくて済みます。
在来タイル浴室の解体で判明できた、木部の腐食状況
    

大工さん:大工さんの仕事はそう多くはありません。
解体後に脱衣場とユニットバスの取り合いを直して頂き、ユニットバス設置後入り口建具枠や一部ボードなどクロス仕上げなどが出来るようにして頂きます。
脱衣室の解体状況によりその仕事量は違ってきます。
浴室の窓の位置や大きさが変わる場合も大工さんにお願いすることになります。
ただ、窓を変えると外壁の修繕も必要になるので、これらも事前に大工さんとの打ち合わせが必要です。
大工さんに最小限要求されることは、ユニットバス絡みの施工経験だけです。

内装業者

ユニットバス設置後に脱衣室のクロスやクッションフロアなどの施工をお願いします。
せっかくなので、脱衣室の全てのクロスやクッションフロアを貼りかえても面積が少ないので予算はそんなに掛かりません。
かえって修繕程度にほんの少し貼って頂く方が一式工事になって高くなると言えます。
ただ、脱衣室全て張替の場合は、脱衣室内に設置してある洗面台や洗濯機の脱着をしなくてはならないので、自分で出来ない場合は給排水業者にお願いしておきましょう。

ユニットバスのメーカー施工店

日本のユニットバスメーカーは専属の研修を受けた施工店を持っています。
そのほとんどは有料施工なので、仕入れた会社で本体と共に見積書を頂きましょう。
中にはリクシルのように施工費込みの料金設定になっているメーカーもあるので、割安感は否めない事実です。
ユニットバス本体はメーカーから直接仕入れることは出来ないため、個人で仕入れる場合は、金物店やサッシ販売店などになります。
どのメーカーとも施工予約を早めにしないと取れないため、1ヶ月以上前から仕入れ会社を通して予約します。
従って、その施行予約日を基準に前倒しで他の業者に依頼することになります。
メーカーにもよりますが、施行日までの2週間を切ってくると変更にも応じてもらえなくなるので、UB(ユニットバス)施工業者の現場調査打ち合わせを2週間以上前にしたい所ではあるのですが、解体が出来ていないと意味がないので、変更条件を諦めて解体後に行うのが一般的です。
その時点では変更が出来なくなっているため、それまでに行う見極めの注意点があります。
現状がユニットバスの場合は同じタイプの大きさの商品は設置できると判断することができますが、在来工法の浴室の場合は発注までにカタログにも添付されている図面を基に、設置必要寸法が取れるか確認をします。
面積は元より高さを見極めることも重要です。
高さはFL(床の天端、フロアレベル)を基準に上と下(ユニットバスの天井と架台)が納まるか見極めるのですが、満たない場合はメーカーと相談することになります。
施行日になってから入らないでは済まされないからです。

その他業者と考え方

この他にも塗装業者や板金業者などが必要な場合もありますが、業者は少ない方が経費を考えても予算が減ります。
業者が少ないと打ち合わせや段取りも減るので工程管理も簡単になることが最大のメリットです。
業者を減らすコツは出来るだけ1社に多くの業種をお願いすることなのですが、全てを1社に任すと自分でした事にはなりません。
例えば電気と給排水設備をどちらもしている業者に頼むとか、ちょっとした塗装や外壁修繕などは大工さんにお願いするなどです。
解体処分工事もしている大工さんなど、多能工性の高い職人さんにお願いするのがミソです。
元々浴室リフォームは、業者単位の仕事量としてはかなり少ないため、業者交渉で値引きは禁物です。
融通を聞いて頂ける人柄の良い職人さんを探すことから始める事をお勧めします。

次の記事もご覧下さい。
自分で行う浴室リフォームマニュアルその3