後悔は南のリビングを諦めたこと




家にいる時間が長くなると欲求が変わる!

私は自宅を何度かリフォームして後悔していることがあります。
それが前回取り上げた「思い切ったリフォーム」をしなかった事なのです。
20年前に1千万円以上掛けて水廻りを中心に行ったリフォームで、予算を優先したが故に実行できなかった事が今になって後悔しているのです。

予算によって諦めざるを得なかった事とは大きな間取り変更にあります。
現在生活の中心で家族が集まるLDKが北側にあることで、特に冬は暗く寒い部屋になっています。
南側には普段使わない仏間と和室があり、しかもその南に面した壁には窓がないため、ここも暗い部屋となっているのです。
この仏間とLDKの位置関係を正反対に出来なかった事が後悔に繋がっています。

もし南側にリビングがあれば、現在の場所と比較して温度差が5度以上違ってくることは明らかなのです。
そうなれば暖房や照明のためのランニングコストもかなり引き下げられたはずなのです。
数値化はしていませんがおそらく20%以上のランニングコストが下がると感じています。

なぜ今になってその後悔が強くなっているのかと言えば、それはライフスタイルの変化によるものです。
リフォームを行った20年前は40歳過ぎでまだ若く、家に居ることが少なかったのですが、今は定年退職して家に居る時間が多くなったことから「あの時思い切っておけばよかった」となっているのです。
家に長く居ると想像以上に間取りの欠点や動線の不具合などが見えてきます。

リフォームをした当時は20年程度は先を見越していたはずなのですが、定年退職してからのことまでは想像できていなかったのです。
20年間使用してきたシステムキッチンも最近、ガスコンロからIHクッキングヒーターに取り換えたのでもう少しは使う覚悟ではありますが、次にキッチンを取り替える時が暖かい南側で老後生活ができる最後のチャンスと言ってもいいでしょう。

やはりこの時に問題になるのも予算であることは明らかです。
将来の老後資金に不安を持ちながら、思い切ることは今まで以上に勇気が必要なのです。
そこで5年程度月日が経ち、定年退職後の人生を経験してからもう一度この問題について考えて見ようと思っています。

南側が高い建物や山などによって冬の太陽の光が遮られる家は仕方ないにしても、直接太陽の光を受けることができる家の場合は、日中過ごすことが多いリビングや毎日家で過ごしているご老人の部屋などは南側にあるというだけで暖かく過ごすことができます。

今ではこの南東リビングはリフォーム間取りプランの常識になっています。