リフォーム、見積もり比較の理由




改修工事の見積依頼から読み取る

リフォームの業者選びをするとき、見積金額比較で選んでいませんか。

そこには大きな落とし穴が潜んでいることがあります。
公共工事などと違って一般のリフォームで2~3社から相見積もりを取る理由は、業者に金額勝負をさせるためではありません。
勿論安易な見積金額を牽制する意味も含んでいますが、その最大の目的は担当者の人間性や提案力を測ることにあります。

現在はリフォームブームの高まりや人口減による家余り現象から新築件数が伸び悩み、リフォーム業者が増え、あらゆるリフォーム情報に溢れています。
既にリフォーム業界も頂点を迎え、どんなリフォーム会社でも生き残れる時代は終わっています。そこがリフォーム会社選びのヒントになります。

生き残れるリフォーム会社の条件がヒント


1. 生き残れるリフォーム会社は、お客様が頼みたいリフォーム会社と一致している。
2. 適正利益の取れている会社
3. クレームが少ない会社
4. 下請け業者に愛されている会社
5. 社員のリフォームに関するスキルが高い会社
6. お客様満足度重視の会社

1. 生き残れるリフォーム会社は、お客様が頼みたいリフォーム会社と一致している。

当然ですがお客様からの信頼も厚く、リピート客の多い会社ということです。
こんな会社は紹介が多く、営業しなくても仕事が豊富なので、仕事欲しさからの値引きは しないのが通例です。
相見積もりであっても無理に金額勝負には加わらないので、お客様は見積金額だけで決めてしまうとせっかくのいい会社を逃がしてしまいます。

2. 適正利益の取れている会社

成功しているリフォーム会社は、利益があまりに少なく赤字リスクの高い仕事は敬遠します。
それでなくてもクレーム産業と言われているリフォーム業に於いて、1件のトラブルでの未収金は即時経営に影響を与えます。
値段ばかりに重点を置くお客様にリスクを感じれば、敢えて高い金額で見積書を提出して上手に断って頂くことを選びます。

3. クレームが少ない会社

クレームが多い会社は悪循環に陥り、全て悪い方向に向かいます。
クレーム処理により営業利益が減り、クレームで疲れた真面目な社員は退職し、優秀な下請け業者からも敬遠されます。
そんなクレームの多い会社ほど相見積もりになると頑張って金額を下げてきます。
金額が安いという理由だけでこんな会社と契約してしまうと、あなたもクレーマーになってしまうかも知れないのです。

4. 下請け業者に愛されている会社

下請け業者との関係が良好なリフォーム会社はお互いにフォローしあっているので、問題点も早く見つかりクレームが少なくなります。
下請け業者との関係を良好に保つ一つの条件が、決して下請け業者の首を絞めないことにあります。
元請け会社だけ利益を追求し、下請け業者には徹底して原価を追求すれば技術力の高い会社ほど逃げていきます。
例えばクレームでやり直し工事が発生しても、その全てを下請け業者の責任にはせず、元請け責任を重視します。
決してクレームの原因を下請け業者に押し付けることはしないので信頼関係が築けています。

5. 社員のリフォームに関するスキルが高い会社

社員の離職率の低い会社は人が育ちますが、離職率の高い会社は常に人材を入れ替えるので社員が育ちません。
仕事のスキルは概ね経験を重ねるほど高くなりますが、経験の少ない社員に高いスキルを求めること自体矛盾しています。
リフォームは予算が大きくなるほど難しく、誰にでも容易くできる仕事ではありません。
スキルの低い人ほど考える事を拒み、成り行きで仕事を片付けるものです。
リフォームの仕事には100%の正解はありません。
常に考え、正解に近づく努力を怠らない担当者こそが、お客様の期待以上のリフォームに結び付きます。
そんな担当者との出会いがリフォームを成功に導きます。

6. お客様満足度重視の会社

利益重視の会社ほどノルマ制度がきつく、利益を落とす事に敏感になっています。
例えばリフォーム工事中に問題が発生した時、担当者から責任のある回答が聞けないのもこの種の会社です。
お客様満足度の高い会社は、会社よりお客様の気持ちに敏感なため、問題が発生したとしても、その場で責任のある回答が得られるものです。

・リフォーム会社の比較基準
相見積もりを3社から取るとしたら、見極める判断基準の優先順位を決めておくといいでしょう。
第1に人や会社を見ます。
どんな人なのか、責任感は?、誠意は感じられるか、スキルは?
そしてどんな会社なのか聞いておきます。
社員の数やどんな仕事体系で担当者はどう決まるのかなどです。
見積書を持ってきた人が最後まで担当するとは限らないからです。

第2に提案力や柔軟性です。
要望が叶えられた提案になっているか、欲求は満たされているかなどを判断し、もし追加工事や変更が発生した場合の対応についても聞いておくことです。

第3に金額の妥当性です。
お客様の中には金額で見極める事を優先するあまり、1社から受け取ったプランそのままで2社目も3社目も見積もり依頼したり、数社に見積もり依頼していることすら隠して比較しようとする人もいます。
しかしそのどちらも、お客様にとってメリットは少ないといえるのです。
公共工事のように設計図書を基に入札するのとは異なり、金額より会社によって異なる提案力などを比較する方がお客様にとってのメリットは大きく、見積もり段階から信頼関係を大切に考える事をお勧めします。
それが相見積もりの目的で「金額の妥当性」を最後に持ってきた理由です。
数社から見積もりを取ると言った時点で、リフォーム業者にはある程度の牽制となっています。
実際に取得した見積もりを比較して大きな金額差がなければ妥当性は高いでしょうが、もし金額差が大きければその理由を直接聞いても問題はありません。
人間が作成した見積書には単純な入力ミスなども絶対ないとは言い切れないのです。
時には安いと思っていた業者の内訳書に、大きな機器類見積もりの見落としが潜んでいるやもしれないのでトップ金額だけでなく内訳書も比較する必要があります。