駐車スペースは家の間取りと同じほど重要




20年先を見越した駐車場計画を!

新築やリフォームで失敗してしまうことが多いのは車の置き場所です。
どうしても家の間取りや広さが優先されるため、駐車スペースは後回しになるからです。
その結果よくある失敗の一つが、車が2台あるのに縦列にしか止めることができないといった配置になってしまったことです。
家を優先した結果なので納得していたはずなのですが、いざ生活を始めると「こんなに不便だとは思わなかった」となるのです。

縦列駐車スペースの失敗例

新築当初、車は2台あったが妻はパートで出勤も遅く帰宅も早かったため奥に駐車すればいいと安易に考えていました。
ところが数年後、子どもが塾へ通うようになり、遅い時間に送り迎えをするようになって車の駐車時間がチグハグするようになってきました。
そうなって初めて縦列駐車の不便さに気が付きました。
この不便さは考えていたより大変でした。
自分の車が奥に駐車してあった場合、先ず前の車(妻の車)に乗り込みシートを後ろへスライドさせます。
そして道路に出してから今度は自分の車に乗り込み、車を道路に出します。
その後妻の車をバックで敷地内に戻し、シートを元の位置に戻すのです。
前の道が広ければまだしも、狭い場合はクラクションを鳴らされたりするので、そのストレスは聞かなくても想像できます。

ライフスタイルの変化で車が増えた失敗例

新築当初、妻は専業主婦で車は1台しかなく駐車スペースのことは考えていませんでしたが、子育てもひと段落したころ妻が就職したのでもう1台車が必要になり、駐車するスペースがないことに気付きました。
他にも子どもが社会人になり車が必要になったり、親友がよく遊びに来るなど駐車スペースが広いに越したことはありません。

計画通りにいかなかった駐車場スペースの例


並べて2台駐車できるはずだったのに実際家が完成したらドアを開けるスペースもなくなっていました。
家を建てる計画時は敷地と建物の平面図を基に駐車場スペースを計画しましたが、完成して実際車を置いてみるとドアも開けられないほど狭くなっていました。
その原因は建物側にエアコンの室外機を置くスペースを考慮していなかったことと、隣地境界線近くにフェンス用のブロック基礎をつくるようになったことです。
エアコンの室外機が40㎝でフェンス基礎が20㎝必要になったことで70㎝みていた乗り降りのためのスペースが奪われたのです。
計画にはある程度余裕がないと思いもしなかったことで呆気なく状況が変化します。

このような理由で後になって駐車スペースの問題点が出来てくることが多くあります。
特に土地を買って新築する場合、間取りまで決めて土地を購入することはしないのが普通で、土地を手に入れてから家の間取りを考えることで起こり得ることも伺えます。

夫婦共働きが増え、車も2台所有する世帯が増えていますが、宅地の面積がよくある50坪前後の場合、車2台のスペースを確保するのが難しいこともよくあることです。

車の駐車面積

普通乗用車を駐車する場合は乗り降りスペースも確保して1台当たり最低12.5㎡必要です。
よくショッピングセンターなどの駐車場に引いてある白線の寸法と同じです。
縦が5mで横幅が2.5mとなっていますが、この面積が12.5㎡なのです。
それを坪数に変換すると3.78坪となります。

1台当たり4坪弱の面積を必要とするので、多少でも余裕を考えれば2台で8坪くらいはほしいところです。
50坪程度の土地を購入した場合、できる事なら横並びで道路側に2台駐車できるスペースを先に確保して家の間取りプランを考えてみることをお勧めします。
車2台のスペースは縦横5mの面積になります。

ハウスメーカーにもよりますが20代~30代の方が建てる家の建坪でよくあるのが20坪程度ですが、メーターモジュールだと10m✖7m程度で、軒の出る面積も含めると30坪ほどにもなってきます。

新築条件で優先して考慮したいのは家の方向なので、道路側に5m✖5mの駐車スペースを確保すれば、どうしても家の間取りに影響を与えることが多いと言えるのです。

夫婦共働きで一家に2台車を持つ世帯が増える傾向にある中、車の駐車スペースは家を考える重要な要件になっています。
家の間取りと同じような感覚で駐車スペースが確保できるか土地の購入段階から考えることをお薦めします。