これからの家づくりに必要な癒しワークスペース




落ち着いて仕事ができるワークスペースがある家

自分の住んでいる家に求める価値観は人によって大きく異なります。
特に家にいる時間によって価値観は大きく変わってきますが、今後働き方改革で家にいる時間が増えると家に対する価値観の変化が気になります。

家にいる時間が増えると家に対する価値観が変わる

例えば仕事で忙しかったり通勤に時間が掛かる場合、毎日の帰宅時間が夜の9時や10時になり朝は6時ごろ家を出なければならないといった人は、自分の家は風呂に入って寝る場所なので質のいい睡眠さえできればそれでよしとなるでしょう。

しかし専業主婦の価値観は家こそが生活の中心なので、落ち着きたい場所であったり子育てし易い場所であったりします。

家で過ごす時間によって家の価値観や家に求める欲求は大きく変わるということです。

今までは夫は仕事で家にいないのが当たり前でしたが、これからは家にいるのが当たり前になって、夫にとって家は寝るだけのところではなくなるのです。

家の価値観は一生同じではない

家で過ごす時間によって価値観が変わるといいましたが、誰でも家で過ごす時間が一生同じという人はいません。

私のように定年退職するとほとんどを家で過ごすことになるのは当たり前ですが、例えば時代の流れで今後在宅勤務が増え、家を中心に生活する人が増えてきます。
そうなると家の価値観は変わって家に求める欲求も多くなってくるはずです。

家は寝るだけの場所から落ち着ける場所であったりくつろげる場所に変わってきます。
働き方改革によって残業がなくなり休日出勤も減れば、家に居る時間が長くなるからです。

今後家に求められる重要な価値観

時代の流れで働き方などが大きく変わって家に居る時間が長くなると、家に求める欲求は落ち着きや癒しなど心の安定に関わることに変わってきます。

今後家に求められる欲求
癒される家
落ち着ける家
情緒が安定する家
ストレスから解放される家
長く居ても疲れない家
趣味を楽しめる家
家族の笑顔が絶えない家

価値観が変われば家も変わる

このように家に求める価値観が変われば家づくりも変わってきます。
「つまり落ち着かない」に関連したキーワードが徐々に家づくりから消えて行くと思われるのです。
今までのように家に居る時間が短い時よりずっと落ち着く家にこだわるようになるでしょう。

「落ち着かない」に関連する言葉
不安な気持ち

孤独感
情緒不安定
注意力散漫
やかましい
雑音が聞こえる
眩しい光を感じる
何もない
異常に暑い又は寒い
集中できない
寂しい気持ち

このようなキーワードを家づくりに関連づけるなら、落ち着かないほど天井が高く広い部屋はアウトの可能性が高くなります。
解放感に優れた大きい窓の広いLDKや明る過ぎる白い建材も落ち着かない家に当てはまるでしょう。

今現在家づくりに優先されていることと言えば、機能性や耐震性能などの強度です。
しかし今後は働き方が変わるので家に対する価値観も変わり、家に求める価値観の優先順位が変わってくると思われます。

リモートワークの会社が増えると家が変わる

既にリモートワーク(遠隔業務)が広がりつつあります。
会社は事務所を持たなくてもいいだけでも大きなメリットですが、更には通勤費なども削減できるので日本で急速に広がるのは時間の問題です。
サラリーマンにとってリモートワーク最大のメリットは通勤時間がいならいことです。

しかしリモートワークには家族からも邪魔されないスペースが必要になります。
バーチャルオフィスを作り出すスペースです。
バーチャルオフィスのパソコンには当然テレビ会議や出勤確認用のカメラが設置されているので、そのカメラが映し出す範囲内にプライベートを見せたくないのです。

そのスペースとは家の中で広くなくてもプライベートが守れ落ち着ける場所ということになるでしょう。
そんなスペースが必要になるのはサラリーマンの夫だけではありません。
当然奥様にも落ち着けるスペースは必要ですし、子どもも成長すると一人で落ち着けるスペースが必要になります。

今までのように16帖のLDKにウォークインパントリーとか、10帖の寝室に6帖近いウォークインクローゼットなど、広く明るいスペースを優先させるのではなく一人でも長い時間を過ごせる癒しのスペースを作ることが重要になるでしょう。

家に求められる第一優先価値観が「癒される家」になる

今後家で過ごす時間が増えれば「癒される空間がほしい」という欲求が高まり、今までにはない間取りプランが必要になります。
もちろん機能性や高度な耐震性はそのまま要求されるでしょうが、「落ち着く家」というキーワードが家づくりにとって最も重要な要素になってきます。
そして落ち着いて仕事ができるワークスペースは必須になると言えます。

家づくりは未来を予測するところから始めなくてはなりません。
日本の人口が急激に減り外国人労働者が多く入って来るなら、今のような防犯意識では到底安全な家にはなりません。

今と同じ生活が家を建ててからずっと変わらずに続くことはありません。
必ず生活のスタイルが変わり家に対する価値観や欲求は変わりますが、家のプランを考える時に未来を予測することはいつの時代も重要な要素であることに間違いありません。