災害に備えるなら物より知識




Paul BrennanによるPixabayからの画像

オール電化は本当に災害に弱いのか?

台風15号で千葉県を中心に大きな被害を受けましたが、災害復旧が想定外に遅れたことでオール電化の弱点が見えてきたように報道されています。

災害に弱いと言われるオール電化の場合

オール電化とは、ガスや石油を燃料とする給湯器や調理器を使わず電気だけを使った器具にすることです。
今までの災害であれば2~3日か長くても1週間で災害復旧されていた電気ですが、今回の15号台風では災害復旧が遅れ2週間経過した今でも2,600軒もの家が停電のままです。

電気が使えな状況を説明すると、先ずはIHクッキングヒーターは当然使えません。
そしてエコキュートも使えないので湯を使うことができません。
料理もできず暖かい風呂も入れないと言うことです。

勿論エアコンや照明器具も使えないため、夜は暗く部屋の温度を変えることもできなくなります。
当たり前のように生活で使っていた物が使えなくなり、不安やストレスは日を追うごとに高まってくることは間違いないでしょう

それではオール電化でなければどうなるのでしょう?

例えば給湯器が石油かガスの場合を考えてみると、電気ではないため使えそうに思えますが着火をするために電気を使う構造となっているためやはり停電時は使えないことになります。
「我が家の給湯器は電気ではなく石油だから災害に見舞われても安心」ということにはならないのです。

調理器も同じことで着火などに100Vの電気を使用する機器類は使えません。
乾電池仕様なら使える可能性は高まります。
ただいくら調理器がガスだと言っても、地震などの場合はメーターで緊急遮断することも考えられるので絶対使えるとは言えないのです。

「水道が使えなくても地下水があるから大丈夫」と考えている人もいますが、これも打ち込みでポンプを使って汲み上げている場合は使えません。
地震などで水脈が変わり、今まで枯れたことがない井戸の水が無くなったという例は意外と多くあります。
もしもの災害時はオール電化に関係なくどちらにしてもさほど影響は変わらないと言えます。

災害に備えるなら物より知識を備えるべき

どれだけ災害に備えようと、自分が考えているような災害に遭遇するとは限りません。
地震にそなえれば大雨被害に遭ったり、大雨被害に備えれば強風被害に遭うなど災害は概ね想定外です。

最も災害に強い人は災害サバイバル知識を持っている人でしょう。
サバイバルと言っても無人島で暮らす術ではなく、防災の知識を持ち応用力の高い人です。
例えば津波や地震で崩れたビルの中にまき込まれたとき生存率を上げる知識や、台風でライフラインが壊されたとき飲み水を確保する知識などです。
そんな知識を使いたくはありませんが、温暖化などによる地球変動は今後ますます大きな災害をもたらすことは避けられないと思われます。

そして災害にまき込まれるのは、そんな災害サバイバルの高いスキルを持った強靭な男性とは限りません。
か弱い女性や子どもが単独で取り残されることも考えなければならないのです。

過去の災害事例に学ぶことは重要

今回の台風15号による風被害で電気の復旧が遅れている原因の一つが予想以上の倒木と言われています。
特に復旧を阻む大量の倒木の原因になった、幹の内部が空洞化する病気に侵された杉が問題になっていますが、これまでの災害でも風雨による杉やヒノキの倒木被害は起きています。

中には伐採された木が大雨によって流され、橋脚に引っかかったのが原因で災害が大きく広がったのは人災だと問題になった地域も存在します。
このように日本では今までに多くの災害を経験していますが、活かされていることが少ないと思えてならなりません。