リフォームを間違った会社に頼まないための分類




リフォーム会社の種類やタイプ

リフォーム業界に新規参入する会社は今も増えています。
リフォームをしたいお客様側から考えると、リフォーム会社選びが一段と難しくなったと見るほかありません。

前回リフォーム会社を選ぶ根拠を明確にする方法を取り上げましたが、今回はリフォーム会社の特徴やタイプを考えてみました。
このリフォーム店種別の特徴は絶対的なものではなく概ね想像できる事柄です。
リフォーム会社を探す上で参考程度に読んで頂ければ幸いです。

地場のリフォーム店

本社が地場にある会社をこの種別に分類しました。
地場にある建設会社や工務店、その土地の大工さんや電気屋さんが立ち上げたリフォーム店などです。
会社規模の幅は広く個人商店から数百人の従業員を抱える会社まで存在します。

この種のリフォーム店に依頼する一番のメリットは信頼性です。
その土地で長年培った信頼は会社の財産で、顧客満足度を一番の柱にしていることが伺えます。
会社が地場にあることで仕事の評価がそのまま会社の評価に直結してしまうからです。

「リフォームの仕事はするけれどお金にもならない後のクレーム対応やメンテナンスは知らない」といったやりぼかしがないのが安心感に繋がっています。

この地場のリフォーム会社の中でもその信頼度を見分けるひとつのポイントが離職率です。
離職によって何度も営業担当者が変わるような会社は信頼度に欠け、健全経営できていない証しだと言えます。

地場のリフォーム店で最も多いのがフランチャイズ系のリフォーム店です。
全国展開しているリフォームフランチャイズに加盟し、看板は地場の会社の看板ではなくフランチャイズの看板で営業をしているのが一般的です。

フランチャイズ店はキッチンやユニットバスなど機器類の仕入れも安く、コストパフォーマンスに優れたリフォームができるのが最大のメリットです。
安く販売できる理由は本部仕入れのため全国で使われる機器類をまとめてメーカーと契約することができるからです。

しかしその反面メーカーやランクが限られるので、どのメーカーのどんなランクの商品でも安くなるということはありません。
メーカーやランクのこだわりがなければ、お勧めの機器類を使ってリフォームすることでフランチャイズリフォームのメリットを最大限生かすことができるでしょう。

地場リフォーム店には会社の規模に大きな幅がありますが、出来るリフォームの規模にも幅が広いのも特徴です。
数万円のリフォームから数千万円のリフォームまで熟せる会社が多いようですが、お客様にとってはオールラウンドに対応してもらえることが魅力でもあります。
ただそうは言っても会社単位で得意不得意のリフォーム分野があるのも事実で、一概にどんなリフォームでもどこの会社に頼んでも大丈夫と言えないことも事実です。

それは地場リフォーム会社のタイプに理由があります。
例えば本業が電気工事のリフォーム会社なら電気関連のリフォームが強みで、大工さんを従業員に抱える工務店なら大工工事に強みがあります。

しかし一般的なリフォーム工事は複合的な仕事が多く、電気工事だけとか大工工事だけといったリフォームは多くありません。

そして500万円以下なら無資格でリフォーム工事が行えるので会社規模によって無資格リフォーム店も存在しています。
当然その会社には500万円以上のリフォームは依頼できません。

大手リフォーム会社

主に住宅関連メーカーやそのグループで行われているリフォーム会社です。
ミサワホームのミサワリフォームや住友林業グループの住友林業のリフォームなどです。
これらのリフォーム会社は人口の多い都市部を中心に営業展開をしていて、人口の少ない地域に拠点がないのが普通です。

全国規模で統一された営業ノウハウを持ち、センスのいいデザインや大手企業に支えられた安心感が強みです。
全国どこでも同じ価格で同じサービスなのは信頼の証しでもあるでしょう。

大手リフォーム会社は他のリフォーム会社に比べ広告宣伝費などもふんだんに使った営業戦略をとっているため価格が安いことはないでしょうが、検査も厳しく管理されているので品質も安定しているのは言うまでもありません。

一概には言えませんが1千万以上の大型リフォームが多く、営業ターゲットも高額リフォームに置いています。
そのため何の関係もないのに小型リフォームを依頼するのには敷居が高く、返って予算的欲求を満たすリフォームに繋がることは期待できません。
ましてや営業拠点から遠く離れた地域に住んでいるのであれば尚更です。

お勧めできるのは特にその関連会社で住宅を購入していたり、予算欲求のないリフォームに限られます。

量販店リフォーム

今やリフォーム事業に新規参入の最も多いのがこの量販店リフォームです。
家電量販店だけではなく家具量販店、ホームセンターなどです。

量販店リフォームの一番の利点はお手軽感です。
IHクッキングヒーターや食器洗浄機の交換やエアコンの取り換え、キッチンリフォームや浴室、トイレリフォームなど器具絡みのリフォームに長けています。

ローンが組めたり器具の長期保証も量販店リフォームの大きなメリットです。

その反面提案力が必要な間取り変更を伴うリフォームはお勧めできません。
量販店リフォームは建築母体の会社ではなく物販業だからです。
物を売るためのリフォームと言えなくもありません。

大手量販店は全国隅々まで店舗展開しているので大手リフォーム会社のような都市部優先ではありません。
そのため近くに店舗があるなら器具絡みリフォームに限ってお勧めできます。

その中でも特にエコキュート交換などは有料の10年保障を付けて依頼するのはお勧めです。
故障率の高い器具を長期保証付きで買うことができるシステムは他のリフォーム会社にもありますが、そのコストパフォーマンスは量販店が高いと感じます。
量販店リフォームが器具に特化しているのは、展示している店舗を持っていることからも他のリフォーム会社との大きな違いと言えます。

量販店リフォームの施工は協力会社と言われる下請け業者が受け持っていますが、大概は充分な利益を見込めるほどの予算を受け取ってはいません。
そのため器具コスパ以外の顧客満足度はどうしても下がってしまうのが実情です。

リフォーム工事の顧客満足度は現場に入る下請けの職人さんに掛かっています。
つまり職人の金銭的欲求が満たされていなければ、その現場の顧客満足に影響を与えると言うことです。

そのような意味からも量販店リフォームは多くの職人が必要なリフォームには向いていないとなってしまいます。
もちろんこれも全てに当てはまることではありませんが、往々にしてありがちだと感じます。

設計事務所系リフォーム専門店

提案力が高く専門知識も豊富なスタッフが多く、都市部を中心に営業展開しているリフォーム専門会社のことです。
元々住宅設計を主にしていた小さな設計事務所がリフォーム業界に参入した場合が多く、ビフォーアフター番組などの影響もあって増えてきました。

リフォームに長けた専門性が一番の強みなので、技術的安心感は他をしのぎます。
しかしその自信に裏打ちされた反面、予算的には安いとは言えません。
何故なら他のリフォーム会社なら設計料を取らない会社が多い中、堂々と設計料項目の入った見積書を提出してくることも少なからずあります。

メリットとデメリットがハッキリ二分化されているのが設計事務所系リフォーム会社と言えます。
提案力と技術力がある代わりに高額で融通性に欠けることがあります。

全てをお任せしたい人やコスパ欲求のない人向けのリフォーム会社と言ってもいいでしょう。
多くの欲求を満たすリフォームをしたい人に不向きなのは、顧客の欲求より提案を優先させる傾向が強いからです。

訪販専門リフォーム店

主に訪問販売でリフォーム営業をしている会社です。
この分類の中では一番気を付けなければならないリフォーム会社でトラブルも多く危険性が高いと言わざるを得ません。

屋根や外壁の塗装リフォーム、エコキュートなどのオール電化工事、太陽光発電等のエネルギー関連工事などをよく見かけます。
もちろん全てが危険なリフォーム会社という訳ではありませんが、この種の会社にトラブルが多いのは否めない事実です。

工事引き渡し後に連絡しても来てくれなかったり追加工事の請求金額が法外に高いなどのトラブルは訪販リフォーム店に多いからです。

まとめ

間違って強引な営業をしているリフォーム会社に声をかけたなら断ることも大変なストレスになることもあります。
自分の欲求に合った会社を見つけるためにも考えなければならないのが会社のタイプです。

コスパ欲求が強いリフォームがしたいなら大手リフォーム会社と設計事務所系リフォーム専門店は避けた方がよさそうです。
一番融通が効いて安心感があるのは地場のリフォーム店ですが、地場のリフォーム店に依頼する場合は自分の欲求を満たしてくれる強みを持った会社を探すことです。
コスパ重視で量販店リフォーム会社を使うなら長期有料保証も買っておきましょう。

最終的に顧客満足に繋がるのは会社ではなくリフォーム担当者のひととなりですが、その人に出会うまでにリフォーム会社の選択を間違わないようにしたいものです。