建築用語

建築用語は一般人には分かりにくい

建築の仕事をしている方の中には、お客様に対しても当たり前のように建築用語を多用する人がいます。打ち合わせなどで建築用語が多すぎて分かりにくい場合は遠慮なく「分かり易く説明してください」と言うべきです。
本来は一般的な認識に合わせてお客様である施主に合わせるべきなのですが、図面などではお客様用であっても建築基準で明記されているため最小限の知識は必要です。

寸法(長さや広さ)

長さ高さ ㎜(ミリ) 建築はこの単位をよく使う
寸(すん) 1寸=30.3㎜
尺(しゃく) 1尺=303㎜(10寸)
小間中(こまなか) 1.5尺=454.5㎜(半間の半分)
半間(はんけん)間中とも言う 3尺=909㎜(1間の半分)
間(けん) 6尺=1818㎜
広さ ㎡(ヘイベイ)平米 1平米=0.3025坪(1m×1m)
坪(つぼ) 1坪=3.30578

建築工事で寸法などの打ち合わせでは、よく㎜(ミリ)単位が使われます。建築関係者どうしの時は㎜で問題ありませんが、建築に携わっていないお客様が打ち合わせに同席される場合に気の利いた会社は㎝(センチ)やm(メータ)に変換して話しを勧めます。
普段㎜単位を使っていないお客様に間口2,550㎜のキッチンと言ってもまったく想像することすらできないのが一般的共通認識です。
同じように寸や尺、間(けん)なども同じことです。

モジュール(建築における基準寸法)

メーターモジュール 1,000㎜ピッチ、多くの木造建築ハウスメーカーで使われています。
尺モジュール 関東間の910㎜や関西間の980㎜、985㎜などがあります。
フィートモジュール 460㎜ピッチ、2×4インチや2×6インチなどで使われています。


モジュールは敷地の形状や間取りによって変えられたりします。
決まった敷地に対して効率よく間取りを取ったり、ツーバイフォーなどの工法によっても設計段階で検討されるのがモジュールです。
関西間では柱寸法が3.5寸(105㎜)の場合は980㎜になったり、柱寸法が4寸(120㎜)になると985になったりしますが、畳割りが影響しているからです。
リフォームの場合は同じ家でも3.5寸の柱や4寸の柱、昔はもっと大きな寸法の柱(大黒柱など)が混在しているので測る場所で寸法が違うことは稀ではありません。

モジュールが変われば、構造用合板やプラスターボードなどの寸法も変わるため建築予算にも影響を及ぼします。
そのためモジュールを不規則にすると建材のそつ(無駄)が多くなり予算を圧迫することにも成りかねないのです。

リフォームでもよく使う見切材

・巾木(ハバキ)
巾木とは床と壁の見切材で壁の一番下に貼ります。
掃除機などで壁が傷つかないようにする役割もあり、昔は9cmくらいの高さのものを貼っていましたが、最近は5㎝程度の商品がよく使われています。
小さい方がスッキリ見えるためで、入り口枠と同じ色のものが使われたりしています。
通常木質フローリングの床の場合は木製の巾木が使われますが、クッションフロアなどの床にはソフト巾木と言われる塩ビ(塩化ビニール)製の商品や、タイルの床にはタイル巾木が使われるのが一般的です。

・廻り縁(マワリブチ)
巾木が床と壁の見切りであったのに対し廻り縁は天井と壁の見切材です。
廻り縁の役割は梁や桁などの木材が乾燥によって縮んだ時に起こる天井と壁にできる隙間をカバーするものと言われていますが、最近の木造住宅では集成材が使われたりリフォームの場合も既に乾燥した木材を残して施工するためその役割としては必要性が低くなっています。
更に斜天井や梁を敢えて見せたデザインも増えて廻り縁の取り付けが難しくなっています。
デザインも返って廻り縁を付けない方がスッキリ見えることからその需要は減っていると言っていいでしょう。

窓の種類を意味する言葉

・腰窓(こしまど)中連窓
腰窓とか中連とか言っていますが、腰くらいの高さから上にある普通の窓のことです。
窓の形状や大きさは採光や採風といった非常に重要な役割があるため、慎重に検討しなければなりませんが、近年になって窓が断熱性能の違いに大きく影響していることが分かってから更に役割重要度が上がっています。
そういった理由から以前はとにかく明るい部屋にするため大き目の窓と言って決めていたのが、光熱費にも大きく影響を及ぼすことが分かり慎重にならざるを得ません。

・テラス窓(てらすまど)掃き出し窓(はきだしまど)
テラス窓とは室内の床から壁を作らずに開口された窓のことで、ベランダやテラスへ出るための窓です。
掃き出し窓とは昔、室内のホコリなどを屋外へ掃き出すために作られた床続きの背の低い窓のことを言っていましたが、今ではテラス窓と同じように使われ区別がつかなくなっています。
テラス窓の大きさも昔に比べると更に大きくなって、明るい開放感のある部屋作りに貢献してくれます。
しかし北面や西面に使うと断熱効果を落とし光熱費が膨らむ原因を作るといったデメリットを持っているので取り付け位置には十分注意が必要です。

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