昭和の和室をリフォームしてみた




完成写真(広角カメラなので柱が湾曲して見えています)

土壁の和室をリフォームしてみた

昭和44年(1969年)に建てられた自宅の和室をリフォームしてみました。
建てられてから50年間一度もリフォームされていない部屋で和天井は汚れ、建具は重く使いたくない部屋になっていました。
今回この部屋をリフォームしようと思った動機は、自立した次男が里帰りしたときに寝る部屋として使いたいと考えたからです。
たまに帰ってくる次男の泊部屋なので拘ることはないのですが、それでもせっかくなので落ち着いて眠れる部屋にしたいと考えてみました。

天井(大工工事)

和天井は解体し、クロスを貼るためPB(プラスターボード)に吊り直しをしました。
プリントの薄い和天井建材に比べ、PB(プラスターボード)は重いため、一度解体して天井下地をやり直すことが賢明です。
クロスの見本帳には「和」「天井」などのタグなどが付いたものもありますが、そのようなメーカーの推奨に拘らない方がオリジナリティーをを活かしたデザインに仕上げることができます。
今回選んだクロスも和室なら「和」タグといった先入観を捨てて選んでみました。

壁(内装工事)

築50年ということもあり、現状が土壁です。
二階の部屋なので耐震を優先するのであれば土壁は解体撤去が望ましいのですが、予算重視なのでそのまま使いました。
土壁を解体撤去するとなれば隣の部屋などにも影響を及ぼし、解体処分費を考えるとかなり予算は増えることになります。
土壁にクロスを貼る場合、先ず壁の表面を強化して固める目的のシーラー処理を施します。
このシーラー処理は通常のボード下地の場合は必要ないので余分な作業ではありますが、土壁を解体処分するのに比べれば非常に安価だと言えます。

柱(塗装工事)

50年前の真壁なので無垢の柱を見せた工法で建てられています。
無節のヒノキ材が使ってあるので「塗装する」と当時の大工さん(亡くなられている)が聞けば「何てことをするんだ、値打ちがなくなる」と嘆かれる気がしましたが、長年の経年劣化によって日焼けや汚れもあり、私の好きな墨色(赤の入っていない黒)で塗装することにしました。

建具(DIY塗装工事)
建具も50年前の引き違い戸で当時は建具屋さんが製作したものです。
現在は建材メーカーが多くの建具商品を販売していますが、敢えて50年前の引き違い戸をリメイクしようと考えたのは勿論予算のこともありますが、柱の墨色に合わせたかったからです。
建具自体も当時のままで戸車は付いてなく、敷居が削れて重くなっていましたが、いつもお願いしている多能工な大工さんに戸車を付けて頂きました。
本来ならそのような仕事は建具屋さんにお願いしなくてはなりません。

押し入れ

押し入れの襖も経年劣化が激しく貼りかえるといった選択肢もありましたが、改修後の雰囲気には合わないと判断し、メーター売りで販売されているインド柄の布を掛けてみることにしました。

照明

元々ペンダント型の四角い和室用の蛍光灯が取り付けてありました。
器具も古く壊れて取り外したままになっていたので、インテリアも兼ねてラタンのソケット付き器具を購入し、LEDの電球を取り付けることにしました。
50年前の和室には照明のスイッチはなく、天井から吊るした照明器具の紐を引いて点灯させるだけのシステムになっています。
そこで裸電球型のLED照明でリモコン対応の商品がないか探すことにしたのですが、オンラインショップで見つけました。
これによって電気工事もせずにお洒落なラタン照明を取り付けることができました。

インテリア

何も置いていない部屋はどこか寂しいので考えて見ました。
インテリアもインド柄の布やラタン照明に合わせて少しアジアを意識することにしたのですが予算は抑えなくてはなりません。
そこで以前から使っていなかった白くて四角い大きな鉢を利用して自作してみました。
ご近所から竹を頂いて細く削り白い鉢に刺してみました。
白い鉢には100均ショップで買ったグリーンをあしらい、照明器具のリモコンをその中に置くようにしました。
これはカンボジアのレストランで見た物を真似たのですが、自作なので自己満足と言ったところでしょうか。

完成時の感想

低予算でリフォームとDIYを同時に楽しむことができました。
計画当初は和室を少しモダンにな感じにリメイクできないかぐらいに考えて取り掛かりましたが、途中から少しアジア的な要素を入れて見たらどうなるだろうと考え、インド柄の布やラタン照明、手作りの竹インテリアなどを思いついたのです。
それに合わせ天井のクロスもやや傷んだ木張りの物を選びましたが、最近のクロスは印刷技術がとても良くなって本物の木を貼ったように見えます。
「リフォームを楽しむ」「DIYを楽しむ」という目的からすれば、今回のリフォームは先入観や既成概念を脱して楽しみながら取り組むことができました。