DIYと職人の違い




do it yourself(自分でやる)は何が違う?

テレビなどでたまに見る自作ログハウスやセルフビルドといった自分で建てる家が話題になっていますが、家一軒を自分で建ててしまうのはハードルが高いとしてもリフォームならDIYで考えてみるのも面白いと思います。
私も今住んでいる家の設備配管工事(電気配線以外の給排水給湯配管、雨水配管、ガス配管)は自分でしましたが、その当時持っていた知識と資格はガスだけでした。
配管の完成は埋設や壁内で見えなくなってしまいますが、それでも物づくりの喜びは充分に味わうことができました。

DIYと職人の違いを探って見ました。


1. スピードが違う
2. クオリティーが違う
3. 安全意識が違う
4. 技術が違う

5. 知識が違う
6. 道具が違う
7. 資格の有無
8. DIYのメリット

1. スピードが違う

素人DIYと職人の違いで一番大きいのがこのスピードの違いです。
近年は職人がプロとして最も要求されているのがスピードで、いくら他の能力が高くても施工スピードが遅ければ職人とは言えなくなっています。
しかし素人がDIYで自分の家のリフォームを行うなら、時間がどれだけ掛かろうと問題はありません。
言いかえればDIYの条件にスピードは関係ないのです。

2. クオリティーが違う

やはり職人の仕事は完成度が高く、高品質な物を作ってこそ高い賃金を取れるのですが、早いスピードで高品質に仕上げるということがセットになった条件です。
DIYの場合はスピードは条件外なので高品質だけを追求することになります。
スピードとクオリティーはプロの場合はセットで考えますが、DIYの場合はクオリティーを自分で納得できるものとすればいいのです。
誰にも迷惑を掛けないので家族以外にクレームを言われることもありません。

3. 安全意識が違う

DIYで最も落としがちな意識がこの安全に関連したことです。
プロの職人は安全教育を受けていて、危険予知などの確認は怠りません。
近年電動機械やエンジン付き機械を使用するようなDIYが増えていますが、それに伴って素人のDIY事故が増えています。
電動工具の間違った使い方をして重傷を負ったとか、高齢者の脚立からの転落事故は今も絶えないのが現状で、労働基準には当てはまらないDIYの最も大きな落とし穴となっています。
DIYで事故に遭わないためにも常に安全意識を持ち、作業を始める前には工具の使い方や脚立足場の安全性、危険予知などを確認することを忘れないようにしましょう。

4. 技術が違う

例えば大工さんがノコギリで木材をまっすぐに切ったりカンナで均一に仕上げるわざは、長年培って身についたスキルなので、素人のDIYに求めるには無理があります。
しかし近年建築現場に行っても分かるようにカンナ屑や木屑などは殆ど見かけることはなくなりました。
その理由はスピード優先になったため、現場で加工せずに、出来上がった建材を多用するようになったからです。
そしてホームセンターなどが増え、安価で進歩した電動工具を購入することができるようになったことで、長年培った職人のわざがDIYでも実現できるようになったのです。
DIYではわざを磨くのではなくて(道具=技)と言うことになります。

5. 知識が違う

ほとんどの知識は情報で補うことができます。
パソコンで検索する能力があれば、大抵のことは知ることができます。
それらはプロの職人と比べ浅い知識となるのは仕方ないことですが、パソコン知識であっても積み重なれば力になることは間違いありません。

6. 道具が違う

ここで取り上げる道具の違いとは道具の種類ではなく道具単体の違いのことです。
プロの職人が使う道具は品質が良く、耐久性に優れた商品なので高価だということです。
更に言うとホームセンターなどに売られている商品は、お求めやすい価格重視のビルダー商品なので、耐久性に違いがあると感じます。
しかし最近はホームセンターの商品の品質も向上し、DIYでの使用程度なら十分耐えてくれる商品も増えています。
ホームセンターによってはDIY専用のブースを設置するなどDIYの需要拡大を図っているところも多くなっていますが、DIYを始めるなら道具は必需品として揃えることが必須となります。

7. 資格の有無

電気やガスなどは無資格で工事ができません。
いくら自分の家とは言え、安心して暮らすためには有資格者に工事を依頼しなければなりません。

8. DIYのメリット

DIYの一番のメリットは物づくりの喜びを味わえることです。
自分で作ったものは、完成度がどうであれずっと眺めていても飽きないほど嬉しいものです。
趣味としても長期に継続することができ、意義深いものになるのでお勧めです。
最初は道具の購入などでお金が掛かりまづが次からは材料だけで済むため、行うDIYによっては格安で思いを叶えることができます。
ホームセンターの大型化で今DIYを始める条件は整っています。
最初から大きなことはせずに先ずは収納の中に棚を設置するなど、簡単なことから始めてみてはいかがでしょう。
DIYはクリエイティブで、アイデア次第で他にはないものを作り出す可能性にも富んでいます。