リフォームの追加工事トラブル




解体してみなければ確認できない柱の腐食

トラブルの絶えないリフォーム追加工事

リフォームに追加工事は付きもの

リフォーム工事を予算面で考えると一番気をつけなければならないのが追加工事です。
全国的にもリフォーム工事で訴訟問題まで発展しているものに追加工事の絡むものはもっとも多いのが実情です。
そんな追加工事トラブルの例をあげて注意点を探ってみます。

 追加工事トラブルの原因や理由と予防策

本工事の2倍の請求書が?

例1     知人が働いている業者でリフォームをしたが見積もりの2倍の請求書が届いた。(400万円の見積書に対して800万円の請求書)

この方は実際私のところに相談に来られたのですが、話を聞いてみると本工事の契約書も交わしてないとのことで、「請求された追加工事金額が妥当か見てほしい」と言われました。
確かに追加工事もお願いしたが、「浴室基礎のコンクリートを打つついでにこっちも打ってほしい。」などお客様からすればあくまでついで工事なので金額も確認せずに頼んだとのことでした。

そんなついで工事を数箇所お願いしたが、「まさか請求書が2倍もくるとは思わなかった」との事でした。
後で分かったのですがこの業者は見積を安くして追加工事で儲ける手口の悪質業者だったのです。

リフォームに追加工事は付き物なのと、追加工事が他業者に行くことはないと言った、お客様には予測しにくい盲点を突いた悪質手口です。

追加工事トラブル予防策

いくら信頼している業者であっても追加工事をする前に見積書を取って、契約してから発注することを忘れてはなりません。
私の会社では本工事の契約前に追加工事に関するお互いのリスクなどを説明しています。
平均追加工事率や微細な変更工事は追加工事にしないとか、解体後の予測できる追加工事リスクなどを出来る限り詳しく説明することで業者側にとっても追加工事トラブルを未然に防いでいます。
お客様側から言えば、たとえ微細な追加工事であっても請求がある以上は見積を要求しておくことです。

先ほどのついで工事などはお客様と施工業者の認識に隔たりがあります。
施工者にとっては原価が出る以上はついでではなくついかになります。

それって私が払うの?

例2  業者の積算漏れまで追加工             事として請求された。

例えばリフォーム工事の明細の中に外壁修繕工事や外壁塗装工事などが明記されていたのにも関わらず、足場工事が見てなかったので追加工事として請求されたなどです。
明らかに足場が必要な工事なので、お客様から見れば明細になくても足場込みの価格だと思って当然です。
リフォーム工事には新築工事と比べ多くのグレーゾーンが存在しています。
契約書や見積書などに記載するにも限度があり、業者によっては詳細のない大雑把な見積書を提出している会社も多くあります。

私は見積書を見ればその会社の理念なども見えてくると思っています。
利益第一主義の会社ほど一式工事が多く、明細が少ない大雑把な見積書になっています。
グレーな部分が多いリフォーム工事は、お客様側にも業者側にもリスクがあります。
業者によってはリスク回避の目的で一式工事とすることもあるのです。
事細かく明記しないことで黒にも白にも出来ると考えられるからなのですが、事細かく明記する会社は元々言い逃れなどを考えてなく、お客様からの信頼重視であると言えます。

今更そんなこと言われても!!

例3     内部解体工事後に白蟻などによる腐食がひどく、安全な家にしようと思うと追加工事で500万円必要と言われた。(本工事契約金額は800万円)

既に工事が着工しているので業者が強気になっているのか、工事前に分かっていても契約欲しさに解体後の相談にしたような感があります。
これほどの腐食なら事前の現場調査で分かっているはずです。
もし分からなかったとしても契約前に解体後のリスクについて説明を受けていればこんなことにはならなかったと思われます。

この業者も地域密着の業者ではなく、訪販専門の業者であったため利益第一主義の業者でした。

最初から追加工事分高くしてたんじゃない?

例4    業者側から「追加予測で見ているので、追加工事を請求することはありません」と言われて契約をしたが、実際の工事でも追加らしきところはなく説明や返金もない。

契約前の説明で「浴室などを解体すると水が廻っていて腐食している場合が多いのですが、その辺は見ていますのでこちらから追加請求をすることはありません。ご安心下さい。」と言われ納得して契約したのですが、解体後も腐食箇所は見当たらなく説明もないので工事終了後に問い合わせたところ「こちらのリスクが解消されただけなので返金は出来ません。」との回答で腑に落ちない。

この例は利益第一主義会社のリスク解消策で「ご安心下さい」の言葉で見積金額が高くても納得させられたのです。
最初から業者側の利益を減らすリスク回避手段の一つです。
本来なら解体してみないと確認できない部分はリスクの説明だけに留め、確認後の相談にして見積金額には入れないのがお客様信頼重視の会社と言えます。

無料点検って言うからお願いしたのに?

例5 法外な金額で契約させられた。

追加工事ではないのですが、「凍結による漏水修理をしてほしい」と電話を頂いたお客様の話しです。
そのお客様は80代半ばの老夫婦で、「2年前に大金を使ったので安くしてほしい」とのことでした。
その話しを伺って驚きました。

2年前のある日「家の無料点検を行なっています」と言って訪問してきた人に押し切られて無料ならと言う事で了承したそうです。
了承したらすぐに連絡を受けた作業服姿の点検業務をしていると言う人が入ってこられ、畳を上げて床下に潜られ木材を叩く音がしたと言われます。
何やら点検者から報告を受けた先ほどの人が「このままでは震度3の地震でも倒壊します」「直ちに耐震工事をしましょう」と言われ。
怖くなりお断りしたのですが、「あまりひどいので既に金具を打っています」などと強引に契約させられたとのことでした。

田舎で年金暮らしの老夫婦を狙った悪質極まりない業者に300万円を支払った工事内容は、床下や梁付近に金物を打ったのと床下換気扇の設置だけで、どんなに高く見積もっても30万円と言ったところでした。

まとめ

・契約前に追加工事のリスクについて説明を受けましょう。
・見積内容や図面の説明を納得できるまで受けましょう。
・利益第一主義のやり逃げ業者には特に注意しましょう。
・知らない会社(特に訪問販売業者)の場合も安易に話しを聞くと押し切られて契約と言ったことにもなりかねません。
・リフォーム工事で思わぬ追加工事が発生する場合が多いので、余裕を持った予算計画をすることです。
・会社や人が見える業者を選びましょう。(どこにあるのか分からない業者は危険です)
・信頼できるリフォーム会社は紹介やリピートが多いので、実際にリフォームされた方に聞いてみましょう。