窓、まど で光熱費が決まると思った事ありませんか?





窓を考えるのは車の燃費を考えるのと同じ

窓の種類や大きさ、仕様によって光熱費に大きく影響を与えるって知ってましたか?
窓は光を取り込んだり風を通すだけの役割ではありません。
冬は暖かく夏は涼しい窓が理想です。

目次

1. 窓の種類

2. 窓の仕様

3. 窓の欲求は多種多様

4. 光熱費が安くなる窓プラン

1. 窓の種類

・腰窓(こしまど)

腰高くらいまで壁のある窓のことですが、中連窓(ちゅうれんまど)とも呼ばれています。
一般的な窓で大きさも色々あります。
・テラス窓
立ち上がりの壁がなく、床から直ぐに開口できる窓のことです。
掃き出し窓(はきだしまど)とも呼ばれベランダやテラスに出る目的で設置されたりします。
少し前までは6尺(1.8m)程度の高さのものが一般的でしたが、今は7尺(2.12m)やそれ以上の商品もよく売れています。
・内窓(うちまど)
内窓とは今ある窓の室内側の窓枠にもう一枚取り付ける窓のことで、遮音性や断熱性、防犯性が高まるため色々な用途で価値を見い出せます。
窓性能を上げるために内窓は複層ガラスを使うことがお勧めです。
・ランマ付掃き出し窓
以前は縁側などによく使われていたランマ付掃き出し窓は、窓上部に独立して開けることができるランマ的な小窓が付いた窓のことですが、今では見かけることも少なくなりました。
・引き違い窓(ひきちがいまど)
屋内建具と同じで窓にも扉の開け方によって名前があります。
引き違い窓は2枚戸や3枚戸、4枚戸などがあり、開け閉めしても余分なスペースを必要としないのが最大のメリットです。
逆にデメリットは最大開口が窓の半分しか開かないことです。
採光を多く取りたいなど面積の大きい窓に適しています。
・両開き窓(りょうびらきまど)
窓の外側に吊元があり、窓を全面開口できます。
洋風な住宅にこだわる人に好まれますが、突風などの窓ガラス破損リスクが大きくあまりお勧めはできません。
・FIX窓(フィックスマド)
羽目殺し窓(はめごろしまど)とも呼ばれている開閉できない窓で、最大のメリットは開け閉めに必要な構造ではないため安いことです。
もう一つのメリットが他のどのタイプの窓より気密性が高いことです。
デメリットは掃除が一方向からしかできないことや風を通すことができないことです。
・縦すべり出し窓(たてすべりだしまど)
窓の左右どちらかに吊元があって、一方方向に全開閉できます。
風を受け止めて屋内に呼び入れるといった優れた能力を持っていますが、大きな窓には向いていません。
この窓を選ぶ時はどちら方向から風を受け止めたいか考えることになります。
・横すべり出し窓(よこすべりだしまど)
横すべり出し窓の機能にもよりますが、窓枠の上面を軸に下に向かって開閉する窓のことです。
まるで庇のように開くので雨が入りにくい性質を持っています。
手動式のチェーン式オペレーター付きのものは高所に設置でき開閉できるので、一般住宅でも吹き抜けの階段室上部などでよく使われる商品です。
・上げ下げ窓
上げ下げ窓は二枚に分かれたガラス窓が上下にスライドして開閉します。
上げ下げ窓には上下二枚共動く窓と、片方だけがスライドする窓があります。
・ルーバー窓
ジャロジー窓とも呼ばれ、横に細長いガラスを組み合わせたブラインドのような構造で、お洒落な演出ができる一方、断熱性や気密性に乏しく今ではお勧めできる窓ではありません。
ルーバーに角度を付けて採風する構造なのが災いして、部屋の中の会話が反射し、外に丸聞こえといったデメリットもありました。
・出窓(でまど)
一時期よく売れた出窓は窓際が飾り棚になり、外観もお洒落といった理由で人気がありました。
しかし以前の出窓は高額で断熱性にも弱く、古くなれば構造上の欠陥などにより雨漏れに悩まされることもありました。
デザイン性とデメリットを天秤に掛ければお勧めはできません。

縦すべり窓に引き違いの内窓と上げ下げ窓
    

2. 窓の仕様

・アルミ製窓

アルミサッシと呼ばれる窓のガラス枠が全てアルミ製の商品で、メリットは耐久性が高く安いことです。
デメリットはアルミの熱伝導率が高く、結露に弱い事です。
・樹脂とアルミの窓
アルミサッシの内部側半分に樹脂を使った窓で、メリットは結露が少なく、色のデザイン性が高いことです。
・樹脂の窓
ガラス枠が全て樹脂製の窓で、アルミと比較しても熱伝導率は1/1000と低く、断熱性が高く結露に強い窓です。
主に北海道などの寒冷地で使われています。
・一般複層ガラス
二枚のガラスの間に空間を設け、断熱効果を高めていて、近年はこの複層ガラスが一般的に用いられています。
・Low-E複層ガラス
ガラスの表面に特殊金属膜をコーティングして遠赤外線の反射率を高め、熱伝達を低減した高性能ガラスです。
・透明ガラス、型ガラス、すりガラス
型ガラスは型板ガラスとも呼ばれガラスの片面に凹凸を付けたガラスです。
型ガラスは凹凸を転写されるロールを通して作られているため、触ってもザラツキを感じることができます。
すりガラスは曇りガラスとも言われ砂や薬品を使って均一に曇らせています。
曇りガラスは一枚のガラスを半分だけ曇らせることも可能なため、使う場所によっては価値の高いガラスになります。

3. 窓の欲求は多種多様

新築やリフォームで窓をデザインしたり窓のプランをする場合は業者任せにするとお客様の欲求が満たされないこともあります。
プロと言われる人たちも考え方は様々なので自分たちの考える欲求を明確に伝え、確認するのが望ましいでしょう。

窓の欲求
・リビングは冬暖かい窓がほしい。
・光熱費を安く抑える窓にしてほしい。
・表から裏まで風の通る窓にしてほしい。
・西からの採光はほしいが西日に考慮した窓にしてほしい。
・LDKはとにかく明るい部屋にしてほしい。
・掃除の容易な窓にしてほしい。
・寝室は夜に断熱性の高い窓にしてほしい。
・寝室は遮音性の高い窓にしてほしい。
・子供部屋は気密性を重視してほしい。
・浴室や脱衣室は昼間に風を入れて乾燥させたい。
・道路面からの視線が気にならない窓にしてほしい。
・夏に西風を入れたくない。

4. 光熱費が安くなる窓プラン

窓には様々な欲求がありますが、窓プランによっては光熱費を安く抑える工夫をすることができます。
特に南にリビングがあればその窓を大きく取り、冬に多くの光と熱を取り込むようにしますが、そのためにはできるだけ背の高いテラス窓が理想です。
冬の太陽は南に大きく傾き、部屋の内部まで熱を届けてくれるので利用しない手はありませんが、それが冬の暖房費にも大きく貢献してくれることは間違いありません。
逆にそのような理由から南の窓に熱伝達を低減したLow-Eガラスは向いていませんが、夏の西日を避けて冷房費を押さえたいなら西の窓は小さくしてLow-Eガラスにることが望ましいと言えます。
西側はどうしても光を入れたい場合だけ最低限小さい窓にしてLow-Eガラスを取り付けましょう。
西の窓から風を入れなくていいのならFIX窓になりますが、少しでも風を入れたいなら縦すべり窓がいいでしょう。
北の窓も断熱を優先するなら小さい窓が理想です。
最近の窓の性能が上がったと言っても大きな窓にするほど部屋の断熱性は低くなります。
特に北の窓も気密性や断熱性を優先し、FIX窓か縦すべり窓で小さいサイズのものを選ぶべきです。
引き違い窓に比べ、縦すべり窓や横すべり窓、FIX窓の気密性が高いのは疑いようがありません。
南から北に風を通したい場合は北面に小さめの縦すべり窓があれば効果が上がります。

東の窓は夏の採光を考えると大きな窓は控えるのが得策ではないでしょか。
東の窓は冬も半日以上直射日光は当たらないため断熱的にもデメリットになります。
それでも窓が必要な時は遮光性や断熱性の高いカーテンを取り付けることがお勧めできます。
光熱費を考えた断熱重視の家を作るなら、冷暖房を長く使う部屋に特に複層ガラスの窓にするのは当然ですが、更に複層ガラスの内窓を設置すれば効果は歴然です。
光熱費を優先して窓を選ぶなら、これらのことを十分検討してプラン確定することが望ましいと言えます。
間違ってもデザイン重視の設計にならないよう注意をしたいものです。