リフォームにおけるコンクリート工事は失敗することが多い
コンクリート工事は想像以上にクレームの種が多く発生します。施主の知識も少ないため欲求がハッキリしていないことでも完成後のトラブルに発展することがあります。施工者と施主のクウォリティー概念の差がクレームを生むこともあります。
コンクリートリフォーム工事
施工担当者も建築にばかり集中するあまり、付帯的なコンクリート工事で施主の欲求を聞き出すプロセスに欠けることが多くなります。車庫の床や内部の土間、カーポート土間や外部のスロープなど、リフォームでのコンクリート工事は多くあります。
ある程度の規模のリフォームでよくあるコンクリート工事は、付帯工事とみなされ打ち合わせなども疎かにされがちです。
しかしリフォームでのコンクリート工事は、思いのほか難しくクレームも多いのが実情です。
なぜそうなるかと言うと、施主にとっても部屋の使い勝手やデザインは想像しやすく、元々リフォームをする動機が屋内の改修にあるからです。
それでなくても、お客様が自分の欲求を言語化できるのは10%に満たないといったデータがあるくらいですから、お任せ工事になってしまって「こんなはずではなかった」と後になって思うのです。
コンクリート工事はリフォーム工事の工程上、最後に集中することが多くなるので、施工担当者にとっては早く工事を終わらせたい意識が強まります。
それに加え、天候などにも影響を受けるため思うように工事が進まないケースも出てきます。
コンクリート工事は、元々クレームに繋がる要素を多く含んでいると言うことになります。
クレームに多い原因は、説明不足や施主と施工者の認識の違いなどです。
雨水やエアコンのドレン排水が取れていなかったとか、勾配の方向が思いと違う、車庫のシャッター下から雨やゴミが入るなど例を挙げればきりがないほどです。
それらは前もって説明しなければ想像すら出来ないことも含まれています。
特にコンクリート表面の仕上げ方法によっては、冬季に滑るなどしてケガをしたなど安全な生活に支障をきたすこともあります。
コンクリートスロープ工事
現在は介護福祉の観点から、屋内のバリアフリー化は常識となっています。
そのことから屋外での段差も極力解消しておきたいと考えたいところではありますが、敷地の形状や雨水対策、玄関床までの取り合いなど、緩やかなスロープの設置も困難な場合が多くあります。
コンクリート工事をする場合は十分な時間をもって施工業者と相談をし、納得のいく仕上がりにしてもらいましょう。
説明の内容に少しでも違和感を感じたら、納得がいくまで相談することをお勧めします。
玄関の段差解消工事
最近はリフォームでも玄関の段差を18㎝程度までにするようなプランが増えました。
車椅子でも介護者がいれば車椅子の前を少し上げるだけで玄関フロアに上がることができます。
その場合は玄関土間自体をコンクリートなどで上げて工事をすることになります。
その時、以前からあるコンクリートを完全に取り除いてから砕石などでかさ上げし、転圧をかけてコンクリート打設しないと、以前から残った古いコンクリートとの密度の差などによって仕上げのタイルが割れるなどの恐れがあります。
また、玄関土間を上げたことによって屋外に階段若しくはスロープを設置しなければならなくなるので、当初から計画的に行わないと無理が生じてくることがあります。
コンクリートの寿命は30年とも50年とも言われていますが、近年雨の酸性化が進み直接雨にさらされる所は、極めて早く劣化が進むことも頭に入れておきましょう。
気持ちよく工事を完成させるために、施主側も施工者側も最後まで気を抜かずに注意したい項目がコンクリート工事です。