リフォームプランの優先するべきポイント




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こだわりがリフォームプランの個性になる

リフォームで間取りプランを考える時、「これだけは誰にも譲れない」というポイントを一つ持つことをお勧めします。
新築の間取りプランも同じことが言えますが、予算や床面積に限度があり家族人数分の欲求がある以上、すべてを叶えることは不可能に近いと言えます。

どこかを犠牲にしたり妥協しても譲れないポイントをこだわればいいのです。
そんなこだわりポイントを極端に表現すれば、それが個性に変わり住みやすい家族の城になります。
そんなこだわりポイントのあるリフォームや新築の例を紹介します。

10帖の玄関を持つ家

田舎の大きな家をリフォームしてほしいと私が依頼を受けたのは、私と同世代のご夫婦でした。

大きな家なのですが現状の玄関が間口1間に奥行2間(4帖)といった、家の割には小さい玄関だったのです。
昔ながらの田の字型の間取りの家に加え、何度も増築された大きな家です。
1階には和室が6部屋もあったのでその一つで玄関の横にあった6畳の和室を玄関に取り込む提案をしました。
お客様からお任せに近い依頼であったため、請け負った私のこだわりだったのですが、何度も説明をして何とか納得して頂いたといった感じでした。
お客様にすれば今まで4帖の玄関で慣れておられるので、「10帖の玄関」と聞いてもピンとこないのは当然でしたが、6部屋もある和室の使い道がないことが納得された要因だったようです。
しかし改修後にとっても喜んで頂けたのは想像以上に使い勝手が良くなったのと、訪ねて来られる方々からの驚きに近い称賛を受けたからです。

改修項目にない玄関戸を開けて入れば、吹き抜けのあるL字型の玄関土間に4.5帖の畳敷きフロア(玄関土間と玄関フロアで10帖)といった、和モダンな広い玄関になりました。
改修前を知っている近所の方々にも好評で、プランを見た時は想像すらできないと言われていたお客様に、とっても喜んで頂けました。


3m幅の階段がある家

旅館でもない限り、普通の家の階段と言えば1m程度の幅が一般的ですが私の友人の家の階段は幅が3mもあります。

そんなに大きな家ではないのですが、リビングを出たところに大きな階段が出現するのです。
この階段が無ければもう一つ部屋が取れそうなほどです。
なぜこんな階段にしたのか聞くと、4人の子どもの成長過程でこの階段が勉強机になったり遊び場所になったりしながら、忘れる事ができない思い出の場所になることを願ったそうです。
この家を作る時のテーマが「どこにもない階段」だったようで、個性的な家づくりの見本となるような階段ができあがったのだとか。

廊下のない家

最近建てられた新築の家ですが、1階に廊下がまったくありません。

玄関フロアから直接トイレや脱衣室、LDKの入り口があります。
2階への階段はLDKから直接上がるように設計されていましたが、廊下が無い代わりにリビングの空間が一般の住宅の倍近くに感じます。
友人が多いこの家族の思いが、このリビングを見れば容易に想像できます。
他の動線などをすべて犠牲にしたこのリビングの居心地の良さが、招かれた私にも十分伝わってきました。
廊下を兼用しているのがお世辞でも広いとは言えない玄関フロアです。
そのせいでお客さんが玄関に居ようと居まいと構わずトイレや洗面に行く事になります。
それでも、こだわりを優先させた影響で動線が悪くなったり、部屋数が少なくなってもなぜか納得できるのは、こだわりを通すことで他のすべてを妥協させるだけの力を持っているからです。