雪害、消雪を考える




古井戸の再利用

地下水を使った消雪の提案

冬になって12月の終わりから1月は海雪が多く、1月後半から2月にかけて段々と内陸部に降る雪が多くなります。
雪が積もるとそれに伴う雪害の心配事も増えてきますが、雪害で多いのは樋やカーポートの崩壊ではないでしょうか。
雪が降らない地域の樋施工と積雪地の樋施工には違いが見られます。
積雪地では樋を軒から最小限しか出さないことで雪の影響を抑えています。

更に雪害を考えるなら樋のじょうごはできる限り小さいもので、樋の材質も塩ビ製ではなく金属製の物を選ぶべきです。
近年屋根に太陽光発電設備を設けている家屋が増えていますが、その場合は特に樋に損傷を与える率が高まっています。
カーポートは自動車が入っていれば損害も膨らむので、十分な積雪対応と心配な時は早めの雪下ろしをお勧めします。

豪雪地域でないところでは屋根の雪を落とさないように雪止めを設置していますが、近年の異常気象を考えると屋根の雪は早めに落ちるような屋根設計や設備を考えることが求められると思われます。

地下水を使った消雪設備の利点

東北地方などでよく見かける地下水を利用した消雪設備を関西で見ることは少ないですが、関西でも北部は積雪が多く地下水利用の利点は大きいと思われます。

地下水は年中10度以上で常温の場合が多く消雪には適しています。

冬は暖かく夏は冷たく感じるのはこのためですが、駐車場や屋根に地下水の散水装置を設置すれば、冬は消雪利用をし、夏は打ち水利用として省エネ効果も期待できます。
特に真夏の金属屋根は高温になるため、地下水散布で冷やせば冷房の省エネに貢献してくれます。

地下水利用の注意点

しかしこれには注意も必要です。

消雪などの地下水利用には想像以上に多くの水量が必要になるので、それだけの水が確保できる水脈なのかを判断することになります。

また鉄分量の多い水質であれば、金属屋根の腐食を早める可能性も出てきます。
地域によっては地盤沈下の懸念から、消雪による地下水利用を制限している自治体もあるようです。
除雪作業も高齢化に伴い危険度も上がり、業者に依頼したくても同時期になるので受けて頂けないことが多々あるようです。

古井戸の利用を再検討

上水道の普及が進むと共に地下水の利用が減り、井戸があっても使われていない家庭が増えていますが、消雪や散水に再利用できないか検討してみてはいかがでしょうか。

その場合は井戸の中にもう一度打ち込みをすることで、水量が確保できる可能性もあるので、それぞれの地域で実績のある打ち込み業者に相談してみることをお勧めします。