災害と家を考える




想定外な災害に耐える家などあるのか?

台風21号で関西に大きな被害が出たと思えば、今度は北海道で大地震が発生しました。
被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。

この二つの災害で安全な家とはどんな家の事を言うのか疑問は更に大きくなりました。
地震対策では屋根を軽くしろと言われる一方、多くの軽い金属屋根が飛ばされると言った現状があります。
そもそも風速50m以上にも耐える家と自信を持って言えるハウスメーカーなどあるのでしょうか。
震度7の揺れには耐えるとしても今回のような山崩れや土砂災害に耐える家など存在しないと思えます。
ただ、どのメーカーも壊れないと言っているのではなく、最大限に命だけは守るように考えていると言った見解が、家を買う側との認識に誤差が生じているのではないでしょうか。

数年前、私の息子が土地を買って家を建てると言うので相談に乗りましたが、最初に気になったのは家より土地の場所です。
近くに川があって水害のリスクは無いのかや、山の麓で土砂災害の危険性はどうだ、近くに薬品工場などの危険物を扱っている所は無いのかなどです。

現に今私が住んでいる所も、県のハザードマップを見ると近くの山から民家(私の家を含む)まで全て土砂災害の危険区域として黄色く塗られています。
何故か唯一第一避難所に指定してある公民館だけが色を塗ってありません。
しかしその裏の山にも谷があり、しかもその公民館は木造1階建てで、どう見てもそこが安全だとは考えにくいのです。
それなのに実際避難勧告が発令されると、地区の役員をしている関係で我先にそこに出向か無ければなりません。

第二避難所になっている小学校は鉄骨二階建てなのでまだ安心できますが、木造1階建ての公民館に避難するくらいなら、山からも少し離れている自宅の二階に避難するほうが安全だと思ったりするのです。
今年も一度避難勧告が発令されましたが、実際公民館に避難したのは地区の役員だけで私の家族を含め地域の住民は避難していません。

この前の神戸に再上陸した台風21号では、台風が通過したところから50Km圏内であったのですが、東ではなく西だったため避難準備で終わりました。
これが例え避難勧告であっても誰も非難しなかったのは明らかです。
要因は誰も第一避難所が安全だとは思っていないからです。

今回の北海道厚真町の大規模な土砂崩れを見ると、私の地区は何処にも安全な場所など存在しないと言えます。
日本が災害大国になってしまっている現状を考えると、誰もが違和感を訴え防災について深く考えておく事が求められていると思います。

最近よく想定外という言葉を聞くようになりましたが、時間当たり雨量100㎜だとか風速50m、震度7に高潮2.5mなどが段々と想定内になりつつあります。
この位の数字だと想定外とは言えないほど頻繁に起こる可能性が高くなっているのです。