話し三部に聞き七分
この「話し三分に聞き七分」とは営業のセオリー(確立された手法)なのですが、お客様についつい自分の思いを熱く語っている方はいないでしょうか。
私もお客様へ営業で訪問した後、喋り過ぎた事をいつも反省していました。
一番悪い例は、お客様の話しを遮ってまで自分の思いを伝えようと話しをする営業マンです。
経験も豊富で知識もあり、一級建築士や一級施工管理技士なども持っている優れた人材なのに営業成績が上がらない人にこの喋り過ぎるタイプがよくあります。
自分の経験や知識に裏付けされた話しをお客様に押し付けている場合が多く、お客様の欲求や要望を聞こうとしないので契約できなくてあたりまえです。
しかし営業している本人は自覚していません。
「なぜ契約してもらえないのだろう、経験や知識に問題はないのに」と思っているので、自分の知識の押し売りに気付かないのです。
自分が話す3分とは相手にとって必要な情報と相手から情報を聞き出すための質問だけなので、自分の思いは入っていません。
聞き7分はお客様の客観的な事実情報を聞き出すことなのです。
思い込みや先入観が失敗を招く
営業マンは何事も自分の思い込みでお客様を判断してはいけません。
例えば玄関入ったら正面に大きな水彩画が掛かっていたとしても、このお客様は水彩画が好きなんだと判断するのは危険だと言うことです。
「綺麗な水彩画ですね」と褒めれば「私の趣味ではないんですが義父から頂いたものなので捨てられなくて」と返事が返ってきたとします。
この返事が客観的な事実なので、このお客様の情報としては「水彩画の趣味は無い」や「義父から頂いた大きな水彩画がある」の2点です。
玄関の前に赤い子ども用の自転車が置いてあった場合は、「この自転車は娘さんの自転車ですか、綺麗に手入れされていますね」と質問すれば、「うちの息子はまだ4歳なので乗れないんですけど、ご近所で引っ越しされる方から主人がもらってきて掃除したんです」と返事が返って来れば、「4歳の息子がいる」と「ご近所で引っ越しされる方がいる」が客観的事実情報になります。
もう分かって頂いたと思いますが、お客様の客観的事実情報は質問によって聞き出せることがほとんどなので、ほしい情報は質問しだいと言うことになります。
もし大きな水彩画を見ても質問しなかった場合は「ここのお客様は絵が好きなんだ」とか、赤い自転車を見て質問しなければ「小さな娘さんがいる」などと事実ではない思い込みを信じていたかも知れません。
リフォーム営業で必要と思われるお客様の客観的事実情報とは、お客様の家族構成とライフスタイル、決定権者や家族の趣味や欲求です。
リフォームの欲求は言語化しにくいといった特徴があるので、質問の仕方を前もって予習しておくと成果に繋がるでしょう。
アポイントが取ってあった訪問でも終了時間は決めておく方が賢明です。
一般のお客様へ訪問するアポ取りで、到着時間だけを伝えて了解を得る営業マンが多いですが、終了時間も伝えて了解を得るべきです。
例えば「10時に寄せて頂きますね、1時間程度で終わります」と終了時間まで決めてアポイントを取ります。
これでお客様も1時間程度を営業マンとの時間に充てて下さいます。
営業マンもこの1時間でどんな客観的事実情報を聞き出すのか計画することができるのです。
時間を決めていなければ世間話しなどで長々と話してしまい、時にはお客様から「早く帰って」のサイン(時計を見るなど)が出るようになります。
1時間程度に時間を設定した場合はお客様が物足りなさを感じ、話しがもりあがっていてもこちらから次の予定が入っていることを伝えて切り上げます。
その時忘れてはならないのが次回のアポイントです。
話しがもりあがっているほど、次回アポ取りは容易になります。
話し三分に聞き七分も知らない内に、ついこちらの話しが多くなったりするので、いつも意識しておくように心掛けましょう