リフォームリピートのお客様心理(業者向け)




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リピートなくしてリフォーム業は成り立たない

需要年齢層の幅が広いリフォームの事業が、クレーム産業などと言われ難しい理由は、新築と異なり多種多様なユーザーニーズに答えなければならない上に、リピート産業でもあるからです。
リフォーム事業で顧客分析をした場合、集客のきっかけの2/3以上がリピート客と紹介客でないと安定経営を続けるのは難しいと思われます。
理想は前年度の売り上げ実績をリピートと紹介だけでクリアできれば紹介以外の新規顧客の売り上げが上乗せされ前年比を大きく向上させることができます。
つまり美容室や飲食店と同じような集客意識が必要になると言うことなのです。
もし美容室や飲食店にリピート客がないとしたら経営は到底成り立つものではありません。
美容室も飲食店もリピートの理由は納得の技術と安心感です。
支払った料金と等価以上のサービスを受けられると分かっているからなのです。
リフォームの場合を考えてみましょう。

リピートの動機、リピートから離れる理由

・担当者を信頼している。
・どんな要望にも素早く応じてもらえる。
・金額など融通がきく。
・小さなクレームも素早く対応してもらえる。
・心やすい。
・知識も豊富で安心できる。
・いい職人さんが来てくれる。

リピート理由を挙げればまだまだ出てきますが、次はリピートせずに離れていく理由を挙げてみました

・クレーム対応などに時間が掛かり安心できない
・クレームや小さな要望に応えてもらえない
・すぐに工事に掛かってもらえない
・なかなか見に来てもらえない
・何を頼んでも遅い
・請求書が高い気がする
・会社の評判が悪い
・職人さんのマナーが悪い

どちらの理由もほとんどの場合、担当者など人の行動に関わってきます。
例えば金額の大きい依頼にはすぐに出向くが、めんどくさい依頼や苦手なメンテ工事の依頼などは後回しにしてなかなか訪問しないなどの行動を、常日頃からしているとお客様の方から離れて行ってしまいます。
逆にクレームの対応には特に早く、どんな小さな頼み事にもすぐに対応して頂けるとなれば信頼関係も高まるばかりか、紹介にも繋がります。
しかしこの当たり前のような行動がなかなかできないのです。
自分はできていると思っていたとしても、お客様によって感じ方は変わってくるものです。
行き届いたサービスをお客様に提供し、常にお客様の期待値を超えた対応をしなければなりません。
満足度は100%ではだめなのです。
101%以上を目指してこそリピート率が上がるのです。
言い訳をしなければならない行動はしないことです。
「忙しくて遅くなり申し訳ありません」
「天気が悪くて遅くなり申し訳ありません」
「業者が休みで対応できません」
「普段使わない商品なので高くなってしまいました」
「私は伝えたのですが下請け業者が間違ってしまったようです」
これらの言い訳行動はお客様にとって不信感の1つです。

レジャーリゾート会社がリピートを失った例

私が経験した30年近く前の話しです。

小さな二人の子供を連れてあるレジャーリゾートに行った時のことです。
出来て間もないリゾートであったためか、車で駐車場に入るまで長蛇の列であったのは仕方ないのですが、入園口から一番遠くの駐車場へ誘導案内されたのです。

車を駐車場に止めるまで1時間は掛かったのですが、トランクからベビーカーを取り出し一人の子どもをベビーカーに乗せ、もう一人の子どもを歩かせながら段差のある通路をひたすら歩いたのです。
しかも上り道でしたから大人だけで歩くのと比べれば2倍以上の疲労と時間が掛かったと思います。
やっとの思いで入園口までたどり着いて驚きました。

この入園口のすぐ近くにも大きな駐車場があって、今車で着いたお客さんを入れているのです。
駐車場係の人は入園口から最も遠い駐車場から順番に誘導案内した結果、私たちより1時間以上遅く来たお客さんを最も近くて楽な駐車場へ招き入れていたので唖然としたのです。
後から来た人の方が先に入園できる状況に納得できないまま入園し、既に昼が過ぎていたので食事をしようにもそこもまた長蛇の列だったので、一時間もせずにそのリゾートから立ち去ったのを思い出します。

そのリゾートはレジャーに絶対の自信を持った方が社長で、テレビなどにも出られ「レジャーは俺に任せろ」などと言っておられた方だったのですが、今考えるとおそらく急きょ増員された駐車場案内係の指導まで行き届いていなかったのだろうと想像できます。
車で4時間以上掛けて楽しみにしていた期待を裏切られたので不信感しかなく、「ここには二度と来ない」と誓ったほどでした。

レジャーリゾート会社が入園させる前に、おそらく外注したであろう駐車場係によってリピートを失ったのです。
この会社はその後ゴルフ場経営と共にバブル崩壊のあおりで倒産に至ったと言われていますが、私はリピートを失っての倒産だと感じています。
このように思ったのは私だけではないと思いますが、リピートが命のゴルフ場やレジャーリゾートにとっては致命的と言える失敗例の1つです。

この例のようにその会社の社長や社員だけがレジャーの神様と言われるような人たちの集団であっても、たまたま応援で来た人材や下請け人材にチーム意識が掛けるとそこから信頼が崩れ落ちてしまいます。

お客様の家に上がり込み仕事をするリフォーム会社にとって、誰一人として信頼に欠ける行動をすることが無いよう教育によってチーム作りをすることが必要です。
リフォーム事業もリピートを無くしては成り立たない業種なので、売り上げが減っている時などはリピート率やリピートに関連した行動に問題が無いか考えてみる必要があります。