正解に近いリフォームの答えは「思い切ってよかった」




思い切って後悔はしない!

スーパーで買い物をするような訳にはいかないリフォームですが、どんなリフォームが後悔が少ないリフォームに繋がるのでしょうか。
正解は無いものの私の経験値で正解に近い言葉を一つ選ぶとすれば「思い切ってよかった」と言って喜んで頂いたお客様の声です。

どんな時にこの「思い切ってよかった」と言ってもらえたのか思い出すと、リフォームの動機を超えたリフォームをした時にこの声の多いことが伺えます。

リフォームの動機を超えたリフォーム例

キッチンが古くなってダイニングとリビングにも段差があるのでリフォームをして安全で快適なLDKにしたいと相談を受けたのは15年ほど前にもキッチンだけをリフォームした経験のある60代後半のご夫婦でした。

人生最後のリフォームになるだろうと言われていたご夫婦のご要望は、既存のDKと続きにある和室の居間、その隣にあるもう一つの和室も含めた広いLDKにしたいことでした。
しかしその場所は北側を中心にした間取りであったため、南の応接間であった8帖の洋間も取り込んだプランを提案した内容は、18帖程度の予定だったLDKの計画が24帖のLDKと3帖程度のパントリー、アイランド型キッチンと間口180㎝のカウンター型カップボードや玄関廻り、アプローチなども含んだ大型リフォームに変わり、予算も2倍以上に膨らんでしまいました。

そのご夫婦の決断は、2倍以上の予算が掛かっても人生最後のリフォームだと思われて、私の提案を受け入れられたのです。
そのリフォーム完成後に何度訪問しても「思い切ってよかった」と言って喜んで頂けることが、思い切った提案をした私にも共通の喜びになっています。

別の50代後半のご夫婦から「タイル張りの浴室が冬寒いので暖房付きのユニットバスに変えてほしい」と相談を受け、現場を見ると昔からよくある1.5坪を浴室と脱衣室に真ん中で区切った間取りで、1坪サイズのユニットバスを入れると脱衣室が狭くなり洗面台も置けない状況でした。
家の間取りを調査すると、現状の浴室とは反対側にほとんど入ることがない物置化している6帖の和室があったので、今の浴室を使いながらその6帖と押し入れを新たに浴室と脱衣室、トイレと収納などにリフォームすることを提案しました。
しかし当初想像していた予算よりかなり高くなることも含め、使い慣れた浴室の場所を変える事に抵抗を感じていたため決断を先延ばしすることになりました。
それから1年後、キッチンから漏水したのを切っ掛けに浴室と脱衣室を使われていない6帖の部屋に新設し、今の浴室と脱衣室をキッチンのパントリーにしてキッチンやダイニングとリビングもリフォームすることになりました。

勿論予算は最初のユニットバスだけのリフォームに比べ、何倍にもなりましたが、「思い切って良かった」の満足感に変わったのです。
当初のリフォーム動機であるタイル浴室からユニットバスだけのリフォームでは得られなかった満足感だったのです。
その場合でも結局数年後にはキッチンもリフォームしなければならない事を考えれば、思い切って一度にリフォームしたことで、予算も押さえられ、既存の浴室の場所も思いがけなく使い勝手のいいパントリーとして生まれ変わったのです。
浴室だけの間取りプランからは想像できていないリフォームに予算以上の満足度であったことが伺えます。

満足度の高いリフォームは思い切ること

キッチンや浴室、トイレや玄関ドアなどの部分改修は、リフォームというより修繕と捉えた方が正しいように思えます。
部分的な改修ではなく、複数個所を取り交ぜて動線や使い勝手をこれまでとは違ったものに作り変えてこそリフォームと言えます。
部分的改修では想像すらできない間取り変更で、生活習慣までも変えてしまうようなリフォームこそが、より満足度を上げてくれるのです。

それらのネックになるのが予算です。
お客様のリフォーム要望の順位で考えると、予算は一番高い優先項目となるため、リフォーム業者によっては、敢えて予算重視の提案に留めていることが少なくありません。
お客様側の立場で考えても予算は重要な項目として捉えていることから、知らず知らずにリフォーム業者を牽制しているのです。

前にもこのブログで書いていますが、業者選びのための相見積もりで多いのが同じプラン(同じ図面)による金額勝負です。
しかしプロとしてのリフォーム会社に頼むメリットが一番大きく違いに表れるのが、プラン内容の提案の差だということを忘れてはなりません。
設計会社でない限り、一般的なリフォーム会社はプランや見積もりは無料です。
しかしあまり多く関わると断り辛くなるので、気になる会社があれば予算以外の要望だけを伝え簡単に提案してもらえば判断できるでしょう。
案外考えもしなかった提案を聞けるかもしれません。

間取り変更を伴う大掛かりなリフォームも、最初は小さな動機から始まることが多いのです。
リフォーム会社にプラン依頼をするなら、予算でアイデアを止めてしまわないように、最初は予算度外視で依頼することをお勧めします。
思い切ることができるか判断するのは、契約までなら間に合います。