将来を見越した手すり工事




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将来のための手すり工事

将来を見越した手すり

リフォームをする場合に将来を見越すことは必須と言えます。

部分改修は別としてある程度の規模のリフォームになると、そう度々はできないので10年~20年くらいは将来を見越しておくことになります。
将来を見越すとは主にその家に住む家族の変化を言います。

例えば10歳の小学校4年生の子どもの場合10年経てば20歳の大人になっていますし、60歳の親なら10年後は70歳の老人になって身体能力に変化が起きていることも考えられます。
10年でも結構な変化が予想されますが、それが15年や20年になると家族構成まで変わっているかもしれません。
そういった変化はあくまで予測なので確率の高い変化を見極める必要があります。

手すりは必要になってから取り付けるとお得な訳

実際に手すりが必要になると、介護認定を受ければ一割負担するだけで取り付けることができるからです。

60歳の人なら10年~20年の間に身体能力が落ちて少しの段差にけつまずくようになったり、急激な温度差に脳梗塞などのリスクを感じるようになる可能性が高まります。
かと言って手すりなどは今必要でなければ取り付けない方が得策です。

階段や廊下に手すりを設置すると片側だけに取り付けたとしても、8センチ近く廊下幅を狭くします。
特に階段などはどちら側に設置するほうがいいのかは体の不具合状況によって変わってきます。
もし将来手すりが必要になる可能性が高いのなら、その時大掛かりな工事にならないように手すり用の下地だけを入れておくのがいいでしょう。
手すりは壁があればどこにでも取り付けられる物ではありません。
身体の体重を預ける手すりは、それだけの強度を確保するための下地が必要だからです。

通常のクロス壁はプラスターボードなどの石灰が原料の建材が下地に使用されますが、このボードだけでは手すりの設置に必要なビス強度は保てません。
将来介護保険を利用して手すりを設置する場合は、その設置場所や高さ、向きなどを担当のケアマネージャーの指示を得ることになるので、手すり用の下地を準備しておく場合は余裕を見て広めに入れておくことをお勧めします。
手すり用の下地を準備した場合は、どこにどれだけ入れたか後になっても分かるように写真と図面に明記して残しておきます。
仕上げのクロスを張ってしまうと、どこに入れたか分からなくなるからです。

手すりの施工にもメーカーなどによって決められた基準があります。
ブラケット間の距離指定やビスの大きさなどの基準を満たしていないと、せっかく取り付けた手すりを安心して使用することができません。

手すりは必要になってから設置すると言いましたが、ユニットバスだけはユニットバス設置と同時に取り付けてもらう方が無難なように思います。
最近のユニットバスは後付けもできるようですが、ユニットバス壁面に取り付ける手すりは後付けの場合タオル掛けと干渉するなどの不具合を感じます。

    

手すりは取り付ける場所や用途で色々な商品があります。
屋外に設置する場合や浴室、廊下などによって耐水性のものや木製の材質のものがあります。
また滑りにくいセーフティータイプや太さも色々あるので用途によって使い分けるようにしましょう。
階段など斜めに設置する手すりは滑りにくいセーフティータイプがお勧めです。
以前は階段上部で手すりの端に上着の裾が入ってしまい、転倒して骨折したなどの事故がありました。
せっかく取り付けた手すりが事故の原因になったりしないよう、間違った施工をしないように気を付けたいものです。